横浜弁護士会新聞

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2004年9月号(4)

 
私のホビー 33
山本 英二 会員
五つ星の「物語」 を求めて
 私は、無趣味であり、暇なときは本を読んだり、映画を見たりしている。ただ、他の人と少し違うのは、小説、ノンフィクション、コミック、実写映画、アニメ、ゲームなど媒体、ジャンルにこだわらず、ともかくおもしろいものは、ないだろうかと常にアンテナを立てていることであろう。おもしろい物語(ノンフィクションも含む)につき、未読・未見のままでいるのは、私にとって耐え難いことである。次第にこれは強迫観念となり、おもしろそうな本、DVD、ゲームがあれば、直ちに購入してしまう。全部鑑賞する時間などあるはずもなく、部屋に積み上がって、時々崩れ落ちてくる。
 そして、何年前からかは忘れたが、ホームページを開設し、★印で点数をつけている。満点は、五つ星だが未だに満点の作品はない。開設以来、読んだ作品、再読した作品のみ掲載している。
 特に基準はなく、ジャンル、メディアを超えて、おもしろいかどうかが唯一の基準である。おもしろいというのは、言い換えれば、その作品のある部分につき、感銘を受けるということであるが、何故、その作品に感銘を受けたのかを説明するのは困難な作業である。なお、現在最も点数が高い作品は「風の谷のナウシカ(コミック版)」で★★★★1/2である。アニメ版とはかなりストーリーが異なっている。
 中には★がゼロの作品もあるが、これは単におもしろくないという作品ではなく(そういう作品は評を書かない)私がある理由から嫌悪している作品である。嫌いな理由ははっきりしており、かえって論理的に説明可能である。生涯で、五つ星の作品はせいぜい10本くらいではないかと予想しているが、巡り会う日を楽しみに、日々アンテナを長く伸ばしている。
 なお、アドレス(http://homepage3.nifty.com/eijiyamamoto/index.htm)は、少数の知人にしか教えていないから、アクセス数もごく少ない。
▲筆者のホームページ
 

新人弁護士奮闘記 第55期 長谷川範子 会員
ひたすらホウレンソウ
 弁護士になって数件目の国選弁護事件。若い被告人Aに前科はなく、諸事情からは罰金で処分されうる事案だった。しかし検察庁からの再三の呼出にも返事も出頭もしなかったため、公判請求されてしまったらしい。あまりにも無防備で自分の身を守る術を知らないAに、私は憶えたての『ホウレンソウ』を教えた。
 『ホウレンソウ』とは、報告、連絡、相談の頭をとった言葉で、職場でのコミュニケーションの大切さを表現したものだ。弁護士になる直前に「ボスに黙って休暇を取り叱られた。ボスには何でも『ホウレンソウ』だ」と、先輩弁護士から教えてもらった言葉だった。その先輩が非常識だったことは言うまでもないが、素直な私は、語呂の良さと意味に深く感銘を受けたのである。
 Aもよく理解したらしく、それからというもの不安なことがあると、すぐ私に『ホウレンソウ』してくるようになった。とにかく些細なことまで『ひたすらホウレンソウ』だ。Aの電話に、当初『また事件を起こしたか!』と青くなっていた私も、今は『ちょっとは自分で考えてよ〜』とうんざりしている。同時に、今度はどんな可愛い『ホウレンソウ』か、すこしだけ楽しみにしているのだが…。
 今気づいたが、わたしも日頃、ボスに『ひたすらホウレンソウ』だ。ボスもうんざりしているのだろうか。少しも楽しみではないはずである。非常に心配である。

私の修習日記
「何も知らない」を前提に
第57期司法修習生 宮下 央
 おそらくこの記事が掲載されるころには、第58期修習生の方々の実務修習が始まっていることと思います。そこで、私が弁護修習で感じたことを第58期修習生の方に向けて少し述べさせていただきたいと思います。
 私は本を読むことが好きですが、最近読んだ本の中に次のような印象的な言葉がありました。「経営の神様」と言われるP・F・ドラッカーの言葉ですが「経営コンサルタントとしての私の最大の強みは、何も知らないという前提で質問ができることである」というものです。この言葉の意味は、おそらく、「何も知らない」という前提だからこそ恐れずに質問することができ、ともすれば聞き漏らしがちな情報も引き出すことができるということだと思います。立場こそ違えど、我々修習生にも似たようなことが言えるのではないでしょうか。我々修習生の最大の強み、というか最大の特権は、何も知らないという前提で質問ができることであると思います。実務の最前線で御活躍されている先生方に比べれば、我々修習生など、まだ「何も知らない」のと同じことでしょう。こと実務に関して言えば、ますますそのように言えると思います。
 ですから、知らないということを恥じずにどんどん質問してください。少しでも疑問に思ったことは積極的に尋ねてみるべきです。そこには必ず何らかの得るものがあるはずです。
 偉そうなことを言って申し訳ありません。ですが、これが私が弁護修習中に一番強く感じたことです。どうか恐れずに、この特権を最大限行使してください。これからの人生でわずか1年間、弁護修習に限って言えばわずか3か月間だけ我々に許された、輝かしい特権なのですから。
(指導担当 前田一会員)

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訃報
お悔やみ申し上げます
青山 惟通 会員
平成16年7月13日 逝去
享年 80歳
大正13年3月15日 生

編集後記
 横浜弁護士会新聞が、本号をもって200号となりました。創刊号は1987年(昭和62年)6月ですから、17年の歴史です。現在、広報委員会では、ホームページやメールマガジンの活用の努力をしていますが、今後も新聞が媒体の中心となることに変わりはなく、300号へ向けて頑張りますので、今後もご愛読のほど宜しくお願いいたします。
デスク 沢藤 達夫 1面担当 佐賀 悦子 2面担当 上山 智之
3面担当 大河内万紀子 4面担当 滝口 秀夫

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