横浜弁護士会新聞

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20005年3月号(4)

 
私のホビー 36
海王丸と戯れる日々
池田 哲也 会員
 日本丸と海王丸という名前を聞いたことのある方は多いと思います。いずれも全長約110メートル、4本マストバーク型(3本以上のマストを持ち、最後部のマストに縦帆を装備)の大型練習帆船(姉妹船)で、それぞれ初代を引き継いだ2代目です。桜木町にある初代の日本丸が全長97メートルなので、2代目の船は初代よりもかなり大きくなっています。
 私が「戯れ」ている相手は海王丸。海王丸のみ学生(主に商船高専)の実習訓練と並行して、一般人にも学生と共に練習船の訓練への参加が可能です。一般人が参加できる航海は国内と海外があり、国内の航海は2泊3日から5泊6日までありますが、乗船のために、和歌山県の新宮港、北海道室蘭港まで行くこともありました。
 船内生活は、朝は6時半起床、学生と共に整列、体操のあと「朝別科」と呼ばれる甲板磨きが行われます。(夜はトイレ掃除があります。)甲板はチーク材で出来ているので防水効果を保つために椰子の実を半分に割ったものを使用し海水をかけながら学生とともに磨いていきますが、朝食前なので結構きつい作業です。
 朝食後及び昼食後はそれぞれ約3時間宛の「課業」と呼ばれる授業が行われ、機関部の講義・見学、操帆作業(帆を広げたり畳んだりする際のロープ作業)、登檣作業(マスト登り)、夜間の当直体験等が実施されます。
 練習船の魅力は、何と言ってもメインエンジンを止め帆を広げて風の力で走ったときの爽快感です。船は傾き、前後に大きく揺れますが、大型船が風の力だけで動く醍醐味はやみつきになります。
 しかし、私の「戯れる」体験も暫く休止です。昨年10月20日午後11時、台風23号の影響で富山湾で座礁した船体に穴が空き、現在修理中だからです。私もこのときに乗船していたので、船内に16時間閉じ込められたあげく、一時は胸まで海水とオイルにつかりながら、救出されるという貴重な体験をしました。ようやく腰部の打撲も治癒したところです。

新人弁護士奮闘記 第56期 井町 順一 会員
被告人は孤独ではない
 最初は、手がける事件は全て新鮮に感じたものだが、その新鮮さは1年も弁護士をやると失われてしまうのだろうか、最近はややルーティーンと感じる事件も増えている。
 例えば国選事件。最初は、窃盗でも、薬物事犯でも、不法在留・残留事件でも、何でも新鮮だった。でも、何十件もやると自分の取り扱った事件が自分の中で類型化されてしまう。自分の目にはどの事件も色褪せてみえてしまい、ついには同じ色をした同じ事件に見えかねない。どの事件も一生懸命やっているのだが、悲しいかな、事実だ。
 同じ事件に見えることは、正しいはずがない。事件はそれぞれ個性があって、それぞれに応じたそれぞれの処理をしなければならないはずだ。
 そこで、最近は、これらの事件の中について、その事件固有の特徴を見つけようと躍起になっている。例えば、情状証人に出廷してもらったという事実だけがあるとしても、これがこの事案の最重要事項だと感じたら、弁論要旨では、「被告人の監督を誓う者がいる」という定型文を書くのではなく、「被告人は決して孤独ではない」と書いてみる。ついでにこれを読むときの論調も変えてみる。また、例えば、本国の両親を支えるために日本にやってきたオーバーステイの被告人に、接見時に「あなたの名前はどういう意味を込められてつけられたのか」と聞いてみる。その名前に遠い本国の両親の思いを感じることができたなら、被告人が本国でも両親のために努力することを、両親の期待を被告人の名前になぞらえつつ主張してみる。もしかしたらこれらのちょっとしたことが被告人の心に響くかもしれない、という淡い期待を抱きながら。
 極端に意識すると悪ふざけになりそうだ。でも、全く意識せずにいると色褪せて見える。そこで、少しだけ意識する。通常すべき活動に調味料を加える程度のことで、十分に味のある事案となるものだ。

法曹ゴルフ1月例会 井上雅彦会員が優勝
 法曹ゴルフ1月例会が21日、横浜カントリークラブで開催された。
 お天気に恵まれ、予想以上の暖かさではあったが、やはりグリーンなどは凍って硬かった。参加者が苦労する中、実力を発揮して井上雅彦会員がベスグロで優勝した。惜しかったのは同ネットで準優勝となってしまった吉澤幸次郎会員。同スコアの場合には年長者が上位となるため、法曹ゴルフ参加者の中では最年少の吉澤会員は準優勝に甘んじることとなった。
 また、この例会は、私にとって初めて幹事を努めることになったもの。予め持参したコンペフラッグには前の会の該当者の名前が書いたままで今回の該当者が記名するスペースがなかったり、冒頭のルール説明に間違いがあるなど、参加者にはきっと迷惑をかけたはず。ただ、きっと暖かく許してくれたのでは…。
若手会員募集中!  このように法曹ゴルフ会は決して敷居が高いわけではないので、準優勝の吉澤会員に続く若手会員の加入を、法曹ゴルフ活性化のためにも是非お願いします。
  (幹事 澤田 久代)

訃報
お悔やみ申し上げます
楠田 進 会員
平成17年1月27日逝去  享年76歳
石原定美 会員
平成17年1月29日逝去  享年92歳

いろいろな相談にお応えします。
横浜弁護士会総合法律相談センター
・相談方法  面接相談(電話で予約)
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相談時間/ 13:15〜16:15
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相談料金/ 5,250円(30分以内)
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編集後記
 次期執行部が決まりました。年々取り組むべき課題が増大しており、大変な激務ですが、神奈川県の司法発展・充実のため頑張ってもらいたいと思います。なお、1面では各理事者の横顔を紹介しました。
デスク 沢藤 達夫 1面担当 上山智之 2面担当 佐賀悦子
3面担当 滝口秀夫 4面担当 大河内万紀子

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