横浜弁護士会新聞

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2003年6月号(3)

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蝶になれ、横弁新聞! 新聞から、新しいメディアへの脱皮を
会員 木村保夫
 「新聞批評を」という原稿依頼である。しかし、ここでは、記事についての細かい批評はおいて、現在、横浜弁護士会新聞が置かれている状況について雑感を述べてみたい。
 横浜弁護士会新聞が創刊されてから、一六年になる。当時、多くの弁護士会は会員向けの「会報」を年数回発行しているところが多く、「新聞」というスタイルで「速報性」を売り物に毎月一回ニュースを届けるという姿勢は他会から賞賛の声を得たものであった。
 しかし、よりスピーディーな情報提供が要求される現在では、「新聞」というスタイルで月一回発行すること自体無理があるのではないかと考える。随分前から、横浜弁護士会新聞については「速報性がない。記事が古い」と批判されてきた。それなりに改善されてきたものの、現在の発行体制ではやはり限界があると思う。その結果、例えば常議員会ニュースは、常議員会副議長が作成する「常議員会ニュース」がファクシミリで会員に送られることとなった。また、すさまじいスピードで進む司法改革関係のニュースをはじめとして、弁護士会から大量のファクシミリが毎日「紙爆弾」のように送られてくることは会員誰もが辟易しているところであろう。更に、速報性を求めて会員はメーリングリストで毎日数回情報交換をしている。ここでは、すでに情報をスピーディーに会員に伝えるはずであった新聞は機能していないといわざるを得ない。いまどき一か月遅れの情報など要らないのである。
 それでは、読み物としての横浜弁護士会新聞の機能はどうか。現在、当会の各委員会では、その活動の成果を「人権かながわ」「子どもの権利」「刑弁フラッシュ」など委員会ニュースとして個別に発行している。これを一本化して「会員向けの情報満載の情報誌」にできないものであろうか。東弁では、平成一三年一月から東弁新聞・会報・各種委員会ニュースを統合し、「LIBRA」を創刊し、二弁でも同様に「NIBEN Frontier」を創刊している。いずれも、A四版の「AERA」ほどの厚さで、新聞のような原則四面という紙数制限もないので、写真も豊富で見やすく、また会員の研究発表や実務に役立つ書籍紹介なども掲載されている。
 現在、当会の広報委員会でも、「メルマガ」の発行など新しい状況を踏まえた広報体制の再構築について準備中であると聞く。いま心から横浜弁護士会新聞にエールを送りたい。
 「進化せよ。脱皮して蝶になれ。蝶になって、新しい時代に飛びたて!」

理事者室だより 「司法占領」はおこるか
副会長 小 島  衛
 西暦二〇××年、ロースクールから法曹が巣立つようになってから数十年、(十数年?)既に弁護士は十分に供給されていて就職難が生じている。そんな中、優秀な人材は日本に進出したアメリカの大ローファームに就職する。ローファームの給料は高い。しかし、それに見合った高い収益をあげることが厳しく要求される。経済、企業の国際化は一段と進み、日本の大企業はローファームに顧問を依頼する。その方が、日本の渉外事務所に依頼するより何かと便利だからだ。日本企業同士の契約書なのに原文は英語、訴訟になった場合に適用する法律はアメリカ法にするという内容。顧問先を奪われた日本の渉外事務所は、次々と倒産。以上は東京弁護士会のS弁護士の著書「司法占領」の(不完全な)あらすじ。
 むむむ〜う、アメリカによる日本の司法占領ねえ。そんなこと起こるのかなあ。でも、最近、外国人弁護士が日本人弁護士を雇用するときの制限もゆるやかになったようなことも聞く。ちょっと心配かなあ。
 S弁護士とは、日弁連のADR委員会で隣の席に座ったことがご縁で知り合った。四九期の若い方。四年半位前に半年間アメリカに留学して日本で考えていたときのアメリカ司法と実像との落差にショックを受けたとのこと。日弁連の地下でお茶を飲みながらお聞きしたことは、アメリカの庶民の間では弁護士は金のためならなんでもする嘘つきの代名詞となっている。一般市民の法曹や法制度に対する信頼は極めて低い。日本の制度の方が優れている。だからアメリカの後を追うことはない等。
 うう〜ん、本当かなあ。でも、本当かどうかわかる頃には引退しているだろうなあ。生存しているかなあ。

常議員会レポート第2回(平成15年4月25日)・第3回(平成15年5月9日)
第2回 (平成一五年四月二五日)
 第一号〜四号議案は人事案件であり提案されたとおり承認された。
 弁護士フェスタ実行委員会委員一八名が選任され、本年も一一月二九日をフェスタ開催日として予定されていることの報告がなされた。
〈第6号議案〉
 関東郵政局との横浜弁護士会あっせん・仲裁センターの利用に関する協定書締結の承認
 日本郵政公社関東支社が設置・運営している「暮らしの相談センター」に顧客から申し出られた郵便局に対する苦情、紛争に関して横浜弁護士会あっせん・仲裁センターの利用方法などの細部を取り決める協定書の締結が承認された。郵政局では、全国の弁護士会との協定書締結を目指しているとのこと、当会は東京第二弁護士会に続き二番目の契約締結弁護士会となった。
〈第7号議案〉
 通常総会の招集及び提出議案が承認された。
  五月二一日午後一時から弁護士会館五階大会議室で通常総会を開催すること、議案は、平成一四年度収支決算承認の件、平成一五年度予算の件、平成一六年度四・五月分暫定予算の件等の定例の議案、ならびに入会金の免除に関する当会の会則の一部を改正する。
〈第5号議案〉
 元検事(公証人)からの入会申込みが許可された。
〈緊急議案〉
 横浜弁護士会法科大学院検討特別委員会設置規則一部改正がなされ、委員を「三〇名以内」から「四〇名以内」に増員することが承認された。
 神奈川県内に開校が予定されている法科大学院の教官候補者に対して授業の具体的な内容をシラバス(授業計画)として提出することが求められており、委員会として充分なバックアップをするためのものである。
〈緊急議案〉
 有事法制法案の慎重審議を求める要請書を日弁連会長と横浜弁護士会長の連名で提出することが承認された。
〈緊急議案〉
 横浜家庭裁判所の増築等についての要望および質問書を提出したことにつき事後承認がなされた。
報告事項
1 弁護士法人会員入会
2 当会の正職員・パート職員の平成一五年度給与改定
3 パート職員採用
第3回 (平成一五年五月九日)
 第一号〜三号議案、緊急議案第一号、二号議案については、人事案件であり提案通り承認された。
 最高裁判所裁判官の候補者は今回は推薦せず。
 また、司法研修所民事弁護教官の候補者として、仁平信哉会員(三八期)が承認された。
〈第3号議案〉
 平成一五年度人権賞選考外部委員候補者二名が承認された。
 (1)阿部浩己氏(神奈川大学法学部教授)
 (2)井上誠一氏(略歴−横浜国立大学副学長、横浜国立大学大学院環境情報研究院長など)
  もう一人の女性候補者については選考中である。
〈第5号議案〉
 日弁連照会「都道府県公安委員会の公安委員に弁護士を任命することを求める要望書」についての当会回答につき、当会として賛同し、日弁連と連名で神奈川県知事及び神奈川県議会議長に対し、提出することが承認された。
 公安委員会から警察本部長への権限の包括委任などのため、公安委員会制度が形骸化しているのではないかとの批判があること、警察へのチェック機能の強化が必要であることから、弁護士を委員に選任し、警察の活動に鋭い目を持つ専門家としての見識を公安委員会活動に生かすことがとりわけ重要であることに鑑み提案されたものである。
〈第6号議案〉
 日弁連照会「法制審議会会社法(株券の不発行等関係)部会『株券不発行制度及び電子公告制度の導入に関する要綱中間試案』についての当会回答として、株券不発行制度の導入には懐疑的である、電子公告制度の導入には反対であるとの意見書が提出された。
〈緊急議案〉
 日弁連照会「パラリーガル認定制度について」に対する当会回答として、日弁連にパラリーガル認定制度を設けること、単位弁護士会にパラリーガルの登録・監督制度を設けることに賛成することの意見が承認された。
 法律事務所の活性化の一方策として「パラリーガルの養成と活動」をテーマに日弁連業務改革委員会では研修や認定制度、登録、監督制度につき検討を重ねその成果としての答申書がこの度日弁連に提出され、各単位会の意見が求められていたもの。
報告事項
1  個人情報保護関連五法案に反対する緊急会長談話が四月二八日付けで発表された。
2  人権救済申立事件勧告〈社会福祉法人同愛会〉に対する再協議の申し入れがなされていること。
(副議長 岡部光平)
常議員からズバリひとこと
 弁護士二年生(但し法曹暦四〇年)ながら常議員を務めることとなっての雑感。(二、三、四、はあくまで希望意見)
一、  常議員会の民主的・活発な討論は、所属弁護士会の活力の程度を示す象徴で、若さとそのエネルギーを享受できる幸せを感じ、横浜弁護士会に入会してよかったと思っている。
二、  時間的制約から、より重要案件に討議時間を割き、必ずしも当初計画順序にこだわらなくてもよいのでは。(この点考慮されているように前回感じた)
三、  長時間に及ぶ時はコーヒーブレイクの時間を設けていただけたらと思う。
四、  事前に会議の予定終了時間を教えて欲しい。
(一四期 赤塚 健)

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