実務修習はバイキング? |
第57期司法修習生 湧田 有紀子 |
今となってはものすごく昔のことのような気がする6月、私は実務修習のイメージを、不遜ながら「バイキング」のようなものだと思っていた。 |
「美味しそうな」見学テーマが目の前にとりどりに並べられている中、時間の許す限り、自分の興味のままに色々な体験をつまみ食いすることができる場だという印象があったからだ。 |
…まさかそれがここまでイメージ通りに的中するとは思っていなかったのだが。 |
私が現在、弁護実務修習でお世話になっている横浜ランドマーク法律事務所には総勢6名の弁護士の先生が常勤している。 |
その中の黒田和夫先生が私の指導担当であるが、修習開始のその日に、全員分のスケジュール表と共に「他の5人の仕事も見学していっていいよ」という有り難いお言葉を頂き、それに図々しく乗っかって、毎日好き放題に6人分のお仕事にお邪魔させて頂いているのである。 |
何しろ、6名の先生方のご活動が非常にバラエティに富んでいるためスケジュール表は大変な豪華メニューで、今日はどれを頂こうかといそいそ箸を迷わせる心境である。 |
修習生に人気の(?)国選弁護・強制執行手続はもちろん、少年事件、特許法事件、北海道との電話会議、ベンチャービジネスの事業拡張相談、果ては大規模詐欺事件の記者会見や、10代の少女からの家出プラン相談、事実は認めつつ法律構成で無罪を主張する刑事弁護などというものまであり、まさによりどりみどりの状態である。 |
そしてまた、例えば法律相談ひとつ取っても、先生方それぞれの個性によって、料理法といおうか、話の運び方・処理の方法がまるで異なっているのを、見比べて実感できるというのも大変面白い。 |
ランドマーク「バイキング」の満足度の高さは、タワーからの眺めの良さだけが理由ではないようだ。 |
(指導担当 黒田和夫会員) |