横浜弁護士会新聞

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2002年7月号(1)

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平成14年度 新執行部の所信表明
 平成一四年五月二二日、横浜弁護士会館五階において、平成一四年度通常総会が開催された。開会の挨拶に引き続き、池田会長から副会長紹介、所信表明があった。
所信表明
司法改革の実現
 司法改革の実現に向けて強い決意で取り組む。そのために司法制度改革実現本部を設置した。
 今後、神奈川司法計画、ロースクール構想、弁護士任官制度について財政面等の様々な課題を解決し、また様々な関係機関との十分な話し合いを経て、実現させていきたい。 
弁護士へのアクセスの問題
 弁護士へのアクセス障害については、川崎において法律相談所を川崎駅前に移転する等、(会名変更の点も含めて)市民がより利用しやすい体制を整えていきたい。
綱紀・懲戒の問題
 市民からの苦情・懲戒申立てが増えている。また、残念ながら当会において市民に大きな被害の出た懲戒事件もあった。市民からの信頼に応えるためにも、弁護士の不祥事には会として厳正に対処していきたい。
県民集会
 昨年度の「弁護士フェスタ」は多数の会員の協力の下、大成功を収めた。本年度も昨年度の反省点を踏まえた上で継続したい。
その他
 会財政については改善に向かっており、会費値上げは考えていない。
 広報については会の外への広報のみならず、会内広報にも力を入れたい。

会務報告

神奈川司法計画
第一次案公表

 小島周一前副会長から、市民の側に立った司法改革の推進への取り組みが中心であった、との報告があった。その具体的内容は以下の通りである。

 まず、神奈川司法計画第一次案を公表し、その成果の一つとして、相模原支部に合議体を設置することとなった。また、会の改革として専門的・継続的対応のための財務室・事務局運営室の設置や市民窓口の改善を行い、業務改革として国選事件の受任システムを「期日割当制」とする受任制度改革を行った。例年開催されている県民集会はより多くの市民との交流が図れるように趣向を変えていった。

 昨年度新たに設置された財務室・事務局運営室からの報告のほか、当会の各委員会から一年間の熱心な活動報告が行われた。日弁連関係では日弁連弁護士業務改革委員会の高橋理一郎委員から弁護士法人制度の全国の運用状況の報告、日弁連刑事弁護センターの岡田尚委員から国費による被疑者弁護制度の検討状況についての報告等がなされた。

総会での議決権の代理行使可決
 第一号議案(平成一三年度決算報告承認の件)は、仁平前副会長から単年度収支差額は約二〇〇〇万円弱の黒字であったとの報告があった後、採決され、賛成多数で可決承認された。
 第二号議案(平成一四年度予算議決の件)・第三号議案(平成一五年度暫定予算議決の件)は一括上程され、田中隆三副会長から、本年度予算は出来る限り「公益法人会計基準」に則った予算案である、全体的にタイトな予算を組み、その結果前年度予算より赤字額が約五〇〇万円減少したものとなった、との説明があった。質疑応答の後、採決され、賛成多数で可決承認された。
 第四号議案(横浜弁護士会会則一部改正の件)・第五号議案(横浜弁護士会外国特別会員会規一部改正の件)についても一括上程された。
 改正内容は総会での議決権の代理行使およびその具体的方法に関するものである。
 まず、青木孝副会長から総合改革委員会の答申に触れながら、詳しい提案理由の説明がなされた。
 当会の会員が増加し続ける中、総会での議決権の代理行使を認め、一人でも多くの会員の意見を総会決議に反映させ、その決議の正当性の根拠を強化する必要がある、他方で総会の形骸化の防止への配慮も必要である、との指摘があった。
 質疑応答の後、賛成、反対の激しい意見が交わされ、採決の結果、議決時の出席数八四名中、賛成七六名、反対五名、棄権三名で可決された。
 第六号議案(各種委員会委員等選任の件)は、資格審査会委員六名、同予備委員六名、懲戒委員会委員七名、同予備委員七名、綱紀委員会委員二一名が選任された。
 最後に、前理事者の退任の挨拶と池田会長から前理事者らへの感謝状の贈呈が行われた。

外国人弁護事件で通訳人を接見に同行する場合のお願い
 須須木永一前会長の日本弁護士連合会副会長就任激励会が六月五日午後六時三〇分から、みなとみらい地区の横浜ロイヤルパークホテル鳳翔の間において七四名の会員の出席を得て開催された。
 池田会長の挨拶に続き、須須木日本弁護士連合会副会長が、日夜司法改革関連の職務に携わっており協力をお願いしたい旨の挨拶があった。
 箕山常議員会議長による乾杯の発声と暫くの歓談の後、元日本弁護士連合会副会長日下部長作会員、元日本弁護士連合会副会長山下光会員、当会前筆頭副会長小島周一会員から激励の挨拶が須須木会員に送られた。
 すっかりみなとみらいが夜景に包まれた頃、会員から花束贈呈(写真)、青木副会長の中締めの挨拶により激励会が締めくくられた。

山ゆり
 「危機管理」。この言葉は、あさま山荘事件を解決に導いた立役者である佐々淳行氏の造語だそうである
 私ども弁護士も様々な意味で「危機管理」の職業であると言える。依頼された事件の展開を予想しながら、考えられる「危機」を未然に防止・回避することはもとより、自分自身も依頼者との関係で「危機管理」の発想を持つ必要がある。依頼者との信頼関係を失わないよう、経過報告や金銭の管理はきちんとしなければならない。さらには自身の健康を維持する「危機管理」も重要であろう。自動車の運転で事故を起こせばそれまでである(名神高速で自爆して一台廃車にしている私が言うのも変だが)
 そう言えば最近、飛行機もよく墜落する。昨年一〇月に沖縄に行った時には、NYのテロ直後であったためか、帰りの飛行機の乗客は私と妻を含めてたったの一〇人しかいなかったことが思い出される
 コンピューターウイルスも「危機」の一つである。かく言う私も過去二回ほど感染し、内一回はハードディスクを破壊された苦い経験がある。携帯電話を水没させてメモリを全部飛ばしたこともある。いずれについても普段からきちんとバックアップを取っておくべきであったと反省している。 イラスト
 「危機管理」は、普段の業務の中で意識することは少なく、どちらかと言えばおろそかにしがちである。しかし、ちょっとした油断に「危機」の落とし穴があることを自戒すべきである。不安を助長させるつもりはないが、あなたの「危機管理」は大丈夫ですか。 
(二川裕之)

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