横浜弁護士会新聞

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2003年2月号(3)

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新シリーズ 理事者室の窓
カオちゃんのため息とリュウちゃんの秘密の小部屋
副会長 尾 立 孝 司
 理事者応接室の奥には、三畳程度のテラス状の小部屋があります。かつて会館の津々浦々まで探検し、「婦人会員室−ソファーの匂いをかいでみたが、特に変わった匂いはしなかった」等で著名な会館探検記(一九八九年秋当会会報)の作者山本英二会員にすら見つけられなかった秘密の小部屋です。ここはリュウちゃん(田中隆三副会長)が一時間に一回理事者会をそっと抜け出して、二、三分煙をくゆらしに行く部屋なのです。時には貰いタバコのタケちゃん(古川武志副会長)とタバコを吸わない私も息抜きにその小部屋に行きます。専ら三人で愚痴や世間話ですが、時には秘密合議をし、理事者会に臨むこともある大切な小部屋です。ただ、ヘビースモーカーの次期会長候補者と、こよなく美しい髪を大切にする女性次期副会長候補者の間で、「私の髪にタバコは御法度」密約がなされたとの情報もあり、残念ながらリュウちゃんの秘密の小部屋は、次期会長のただの煙部屋に変わりそうなのであります。
 さて、次のお話。カオちゃん(副会長)は、理事者室に入ってくる時に一つため息をつき、理事者会でも時々ため息をつきます。可愛い仕草のため息なのですが、タケちゃんは「小噴火」と呼び、私は「ドラゴンブレス」と呼んで恐れています。巷では理事者会でカオちゃんがメドゥーサの一睨みで私を石にして黙らせると云われていますが、一瞬石にされるに過ぎません。本当に恐いのは「ドラゴンブレス」。このため息の回数が一定数に達すると、「今日は一暴れしたい。」と言い出して、辺りを恐怖に陥れます。そしてその後は…。そうは云ってもカオちゃんは今回の理事者の優しい保母さん。喋り過ぎるオリュウちゃん(私)を時々石にし、酔っ払ったリュウちゃんの愚痴を聞いてやり、タケちゃんを煽てて働かせ、ヒットウ(青木孝副会長)を頼ってみせてその気にさせ、会長のめい俳句に手を叩いて、今日もまた溜息をつきながら池田ファミリーをまとめ上げています。
春めくや役員室の跡片付け
忠山

支部便り
横須賀支部 酒井 正
 「支部だより」という題で横浜弁護士会新聞に原稿を書いてくれと、現横須賀支部支部長の小林秀俊先生よりご指示を頂いたのは何時のことだったであろうか。
 ふと、クリップに挟んで机の横の壁に貼ってあったFAX用紙を見てみると、「原稿執筆ご依頼の件」と「締切二〇〇三年一月六日」の文字が目に飛び込んできた。字数は五百字以内、「である調」で書いた上にテキストファイルで入力済みのフロッピーを送って欲しいとも書いてある。
 フロッピーは理解できるが、テキストファイルとは何であるのか?
 続いて国費による付添人制度に関する特別報告がなされた後、六つの分科会に分かれ、それぞれ熱い議論が繰り広げられた。
 いずれにしても、今日は一月七日。
 弁護士登録をしてから今年の四月で丸三年になるが、この三年で身に付いたことと言えば、さらなる脂肪と期日に動じない精神力であろうか。
 いや、後者については恥ずべくことであるし、前者についても意図したことでは決してない。
 「司法改革」「支部問題」「会名変更」と横浜弁護士会が多くの問題を抱える中、横須賀支部の一会員の一日は、この「五百字、である調」の原稿書きで暮れていったのである。

少年事件被害者の遺族の生の声を聞く
原則逆送制度の現状と課題
 二〇〇二年度全国付添人経験交流集会は、岩手県盛岡市にて、一一月二三日〜二四日の二日間に渡り開催された。北国の朝は大変冷え込んだが、幸い両日共に秋晴れの好天に恵まれた。
 今回の集会には、当会子どもの権利委員会からも委員を始め合計一三名が出席し、全大会・分科会を通じ、活発な議論が展開された。
 一日目の全大会では、「被害者に聴く」と題し、少年事件被害者の遺族の方からお話を伺った。真実を知りたい一心で訴訟提起に至り、裁判手続の中でいわゆる修復的司法が実現された経緯等を説明いただいたが、初めて法律相談に行ったところ、電卓を弾き、「損害額はいくら、弁護士費用はいくら」と言う弁護士に大変失望したという話には、胸が痛くなる思いであった。
 続いて国費による付添人制度に関する特別報告がなされた後、六つの分科会に分かれ、それぞれ熱い議論が繰り広げられた。
 当会では、昨年に引き続き、少年法改正後の運用状況について、「原則逆送制度の現状と課題」と称して、二日間にわたり第三分科会を主催し、多数の出席者を得た。
 一日目、逆送事件を担当した当会員及び各地の会員から、逆走後、少年の訴訟上の防御と内省を深めることの両立の困難性や、長期に及ぶ身柄拘束の問題性、公開法廷における審理の悪影響などが報告された。
 二日目は逆送後の刑事法廷における問題性について引き続き議論すると共に、裁定合議制、検察官関与の運用状況についての各地からの報告、少年刑務所における処遇の問題性の指摘がなされた。
 「少年法改正」が与えた悪影響は否定すべくもないが、各地で刑事法廷を少年審判に近づける工夫や、逆送後、五五条移送がなされた事例報告もなされ、新制度の中でも決して諦めることなく、積極的に裁判所に働きかけるなどの取り組みが必要であることを強く感じた。
(子どもの権利委員会
委員 中久木 都)

常議員会レポート第11回(平成15年1月9日)
共済規則一部改正し「特別共済対象者」制度の設置へ
 当会は、傷病給付金、死亡給付金、表彰規定など比較的充実した共済規則を持っているが、それらの給付金は当会への入会後の年数によって支給額に差が設けられている。
 今般、晋平会員が日南ひまわり基金法律事務所を設立して三年間の予定で、宮崎県弁護士会へ登録換えしたことから、当会へ再登録したときに不利益にならないようにすることが検討されてきた。そこで、共済規則を改正して「特別共済対象者」の制度を設けることになった。公設事務所を開設するために当会を退会する会員は、常議員会の承認を得て、「特別共済対象者」となることができ、共済の扶助、慶弔については会員とみなして、傷病給与金等が支払われ、表彰については在会期間を通算することとした。特別共済対象者も会員と同額の共済掛金を納付しなければならないことはもちろんである。三月開催予定の臨時総会で決定されることになる。
会館内電話交換機一式更新に伴うリース契約締結を承認
 会館内の電話は、八回線あるが、法律相談センター予約受付開始時刻の午前一〇時には電話が殺到して、午前中は電話がつながらないという苦情が多数寄せられていたこともあり、今般、電話交換機のリース契約を更新することに伴い、新たな交換機を導入することになった。デジタル回線にして二倍の一六回線が使えることになり、これまでの不便を解消するとともに、大幅な値引きの申し入れを受けて、ナショナルメディア(株)とリース契約を締結することを承認した。かなり改善される見直しである。
営業許可更新申請を許可
 二名の会員から営業許可(取締役就任)申請があった件については、いずれも従前の更新であり、問題なく許可された。
元検事からの入会申込を許可
 元検事(元公証人)から入会申込があり、入会が許可された。横浜地検管内での執務経験はなく、公証人としては横浜市内で執務していたとのこと。
裁判迅速化法案についての会長声明
 小泉首相の強い意向で裁判迅速化法案(全ての裁判について二年以内に一審を終えることを制度化する)が今月に召集される通常国会に提出される見通しであることから、訴訟長期化の原因となっている制度上の問題点を指摘した上で、充実しかつ迅速な裁判を受ける権利を実現するための努力をすることと共に、この法律が拙速裁判を生み出すことのないよう求める会長声明を承認した。
求意見事項(会名変更の件)
 三月一一日に予定をしている臨時総会に当会の会名変更を提案する予定の理事者から常議員の意見を聞きたいとのことで、自由に意見を交換した。
 「何故、いま、会名変更か」との意見も出された。前回の臨時総会の議論は、手続論が主だったが、今回は、実質的な議論が出来るとの意見も出た。次回、常議員会で会則上の求意見がなされる予定である。
報告事項
 「綱紀問題に関連する市民窓口等の強化策」について、現在の検討状況として市民窓口設置規則の改正で対応する予定との報告があった。
 法律相談センターの財政状況が好転しているとの報告があった。
(副議長 森 卓爾)
常議員からズバリひとこと
 裁判迅速化法案が今通常国会で提出される見通しから、急遽会長声明を出すことになり、討議された。原案は、訴訟長期化の原因となっている制度上の問題点を指摘した上で、迅速化のためにはこの問題点解消のための制度改革が不可欠であるとして、制度の充実と迅速化のため努力する決意が宣明されていた。しかし、立法にあたって関係機関に何を求めるのかを明確にすべきだとの私の発言はすんなりと受け入れられて、修正決議された。考えや感性の違いはあっても、筋が通っていさえすればその意見が受け入れられる組織というのはやはり素晴らしいと思う。
(第22期 伊藤幹郎)

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