年頭にあたり、須須木永一会長に熱く語って頂きました |
−新年明けましておめでとうございます。 |
おめでとうございます。今年もよろしくお願いいたします。 |
−まず、昨年を振り返っていただいて、二〇〇一年はどのような年でしたか。 |
昨年は前執行部が築いた土台を引き継ぎ、司法改革に向けての地固めをしっかりするということが一番の課題でした。 |
具体的には、「総合改革委員会」が設置され、その答申に基づき「財務室」「事務局運営室」を新たに設置、弁護士会の将来のあり方や財務問題、事務局の問題等についてじっくり取り組める環境を作りました。 |
−ご自身のプライベートで何か印象深かったことはありますか。 |
格段に忙しくなり、家族から文句を言われる回数が大幅に増えてしまいました(笑)。 |
−では、新年を迎えてこれから弁護士や弁護士会が取り組まなければならないと思われるのはどのような点ですか。 |
なんと言っても司法改革でしょう。私は「司法革命」と呼んでも良いと思っています。これまでの弁護士や弁護士会のあり方を根本から覆すような改革が求められているし、また実現しなければならない。それには弁護士と弁護士会全体が改革への高い意識をもって取り組まなければならないと痛切に感じています。司法改革の担い手は弁護士自身なんですから。 |
−具体的な中身について、お聞かせいただけますか。 |
まず法科大学院についてですが、広い視野で多角的な教育を受けた人が法曹として活躍できるような教育システムが不可欠であると思っています。法曹界における人材の多様性こそが法曹一元の前提であり、その意味でも法科大学院での教育は不可欠だと思います。弁護士会としても法科大学院実現に向けての惜しみない協力を今後も続ける必要があると考えています。 |
法曹人口の増大という点も大きな論点の一つですが、私は常々「弁護士は社会生活上の医師であれ」ということを念頭に置いています。市民の中にあって、社会生活上の医師たる役割を果たすためには、やはりそれに足るだけの数を確保することも必要です。その意味では、法曹人口の増大は司法改革の基盤であると思います。ただ、質を保ちつつ数を増やすということは大変難しいことで、弁護士の経済的基盤の保護をどうするかという視点もやはり無視することはできないと感じています。 |
また、昨年は当会からも初の弁護士任官者が出ました。 |
弁護士としてのキャリアを積んだ方が裁判官として活躍なさるのは大変すばらしいと思います。まさに法曹一元のステップとなるもので、今後も是非本格的に取り組むべき課題の一つです。 |
ただ、準備活動やバックアップ体制については、弁護士個人の努力だけでなくやはり弁護士会としても配慮をする必要があると思います。そのための方策としては受入事務所の設置等いろいろな方法があると思いますが、予算的な問題等検討すべき点はまだ多くあります。他会の動向等も参考にしながら研究していく必要がありますね。 |
−会長の描く「新しい弁護士像」についてお聞かせ下さい。 |
従来弁護士が活動してきた分野に限らず、例えば外部監査人のように今まで弁護士が入っていかなかった領域に挑戦したり、現在議論されているような被疑者段階での弁護活動に積極的に取り組んだり、これからの弁護士はいろいろな分野で多角的に活動していくことが求められているのではないでしょうか。また、社会のニーズに応えるためには、高い専門性を備えていくことも必要でしょうね。 |
−最後に、新年の抱負についてお聞かせ下さい。 |
残された任期は三か月弱ですが、この間司法改革への様々な課題、あるいは弁護士会の抱える諸問題について、引き続き全力で取り組んでいこうと、決意を新たにしております。是非会員の皆様のご協力をいただきますようよろしくお願いいたします。 |
また、今年は立法の年であり、一年で五〇件程度の法案作成が予定されておりますので、当会としても時流に乗り遅れないように努力することが必要だと考えております。 |
当会の会員数も七五〇名近くになりましたが、数が増えたことで会員同士の結びつきが希薄になるのは望ましくないと思います。会員同士お互いに顔の見える状況で縦横の連絡を密にし、楽しく仕事ができるような環境を保っていきたいと考えています。 |
最後に、新しい年が会員の皆様にとって、また社会全体にとって幸せな一年になることを心より願っております。 |