2001年12月号(4) |
新たな発見の日々 |
研修所を卒業して一年以上経つが、私は、仕事を通じて毎日新たな発見をし、自分の知らなかった自分に気づかされてきた。そんな私がこの一年で特に心に残った幾つかの事を思い返してみると…。 |
一番悔しかったこと…刑事の一部否認事件の法廷で、証人(被害者)から私が示談の時無理矢理書類に署名捺印させたかのような証言をされたこと。一番腹が立ったこと…当番で受任した事件の弁護活動に関して同業者が笑いながら被疑者を侮辱するような会話をしたこと。一番情けなかったこと…被疑者弁護の過程で不合理と思える勾留を阻止できず被疑者の前で泣いてしまったこと。 |
…これ以外にも嫌なことが本当に一杯あって、仕事を辞めようと思ったことは一度や二度ではない。 |
しかし、その一方で嬉しいこともあった。(1)国選事件の被害者から被害感情を受け止めたことへの感謝の気持ちを綴った手紙が来たこと(2)修習生の時、一生懸命に訴状を書いた損害賠償請求訴訟が二年間の争いを経て全面勝訴したこと(私は修習先の事務所に就職した)。この事件は厳しい事案だったが「こんな事がまかり通る世の中でどうやって安心して生活しろって言うんですか?」という依頼者の一言が最後まで支えだった(3)少年審判の時に少年が最後の一言として「弁護士の先生が僕のことを理解してくれて本当に嬉しかった」と言ってくれたこと…。 |
こうやって振り返ってみて、私は、自分が、何よりも不合理・不正義なものに対し憤りを感じる人間で、時には、その憤りや、日々の仕事の中で得られるささやかな喜びをエネルギーに変えて、泣いたり笑ったりしながらなんとか仕事をこなして一年間やってきたのだということを感慨深く思っている。 |
これからも、自分の感受性を曇らせないよう、自分らしい仕事のやり方で頑張っていきたいと思う。 |
全国から二一チームが参加して日弁連野球大会予選が行われた。横浜の属する地区からは横浜、東京、埼玉の内一チームのみ本大会に出場する。 |
埼玉 010 100 2 横浜 020 01× 3 |
横浜はまず埼玉と対戦した。 |
一点先制された横浜は、その裏埼玉の剛腕若狭投手を攻め、押し出し四球と野木の適時打で逆転した。更に同点の五回、ヒットで出塁した野木を三塁へ進め三番村野の適時打で勝ち越して試合を決めた。横浜の畑中投手は埼玉打線を散発三安打に抑え完投した。 |
東京 010 002 0 3 横浜 000 001 0 1 |
翌週の東京戦では、先発の畑中が鋭い変化球で強打の東京打線を五安打に抑えた。また、相手走者を出しても畑中自ら牽制球で刺したり、喜多捕手が盗塁を二つ刺す等、堅い守りで東京の攻撃を防いだ。しかし横浜も好機に併殺打、走塁ミス等で攻撃が繋がらず、四番岡部の挙げた一点のみに抑えられて敗れた。 |
この結果、既に埼玉に一〇対〇で勝利していた東京が本大会出場を決めた。 |
敗れはしたが緊迫した試合内容に打倒東京への大きな手応えを感じた。 |
(喜多英博) |
弁護士−永遠なる未完成形 |
第55期修習生 玄場 光浩
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私は現在,伊藤秀一先生のもとで修習中である。 |
伊藤先生のところにある日,法律相談の依頼の電話がかかってきた。間もなく先生は英語で話し始めた。後日,その依頼者は法律相談に事務所にやってきた。相手はアメリカ人女性だった。 |
先生は英語の挨拶を簡単にこなし,相手の相談を理解し,そして英語で適確な回答をする。傍らの私は,依頼者の相談の大筋は理解できたが,とても即座に反応することなどできない。 |
私は大学で英米文学を専攻したから,少しは英語に抵抗がないはずだったが,法的単語は驚くほど知らなかった。地裁を「district court」ということも初めて知った。 |
修習生の私が言うまでもないことだが,日本で法律問題に直面する人すべてが日本語を理解できるとは限らない。法律の専門家が外国語にも通じるべきことは,このさき要求されるだろう。 |
このように弁護士に要求されるのは外国語に限ったことではない。 |
弁護士の業務は他分野の多岐に広がる。法律がいろんな分野に絡んでいるから当然かもしれない。法律は会計にも絡み,すると帳簿が理解できる必要がある。税金は常に絡んでくるし,医療過誤問題では医学の理解も要求される。 |
いや,私にとっては法律分野も知らないことだらけである。司法試験の受験科目にある基本六法すら分かっていないのに,特別法が続々と目の前に現れる。 |
破産法,証券取引法,貸金業法…。さらに,現行法の改正はあるだろうし,重要判例は生まれ続ける。やらなければならないことは,果てしない。一年後,自分が実務につくとは恐ろしいことである。学んでいかなくてはならない。 |
そして,実務についても学び続けなければならないだろう。法学の内にも外にも空白だらけなのだ。完成することなどおよそないけれど,できる限り今より遠くへ行かなくてはならない。 |
アメリカ人の依頼者が笑顔で帰っていくのを見て,そう改めて実感した。 |
(指導担当 伊藤秀一会員)
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一〇年ぶりに鈴木 質会員が優勝 |
一〇月二七日土曜日に恒例の囲碁大会が開催された。出席者は一八名と少な目であったが外が暗くなるまで熱戦がくりひろげられた。 |
ABクラスに分けて争われた結果、Aクラスは優勝鈴木質会員・準優勝木村和夫会員・三位植田薫会員、Bクラスは優勝増田次則会員・準優勝関一郎会員・三位奥山壽会員であった。鈴木会員の優勝は約一〇年ぶり。Bクラスは軽ハンデの奥山会員を成績で上回り優勝すると思われた関会員であったが、運悪く今期はさらにその上(増田会員)がいた。Bクラスは皆さんレベルアップしており、次回はABのクラスを再編成するという話もあがっている。近頃大会に出席されていない方、囲碁のルールは知っているが実力不足だという方、大歓迎。幹事(田上・柴野・植田)に声をかけてください。次回ぜひ出席を! |
(植田 薫会員)
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訂正とおわび | ||||||
11月号の4面「弁護士の業務広告に関するワンポイント」 「いきすぎ型」のQアンドAの記事中、次の部分において誤りがありましたから、訂正してお詫び申し上げます。 |
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弁護士費用を負担できない方に弁護士費用の立て替えをします | |||||||||||||||||||||||||||||||||
なお、法律事務所での無料法律相談も行っています。詳しくは本部までお問い合わせ下さい。 | |||||||||||||||||||||||||||||||||
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いろいろな相談にお応えします。 | ||||||
横浜弁護士会総合法律相談センター | ||||||
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[本部] (045)211-7700 横浜市中区日本大通9番地(横浜弁護士会) |
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[相模原相談所] (042)776-5200 相模原市中央3丁目12番3号(商工会館3F) |
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このほかに、小田原相談所(0465-24-0017)川崎相談所(044-422-9600)海老名相談所(046-236-5110)横須賀相談所(0468-22-9688)横浜駅東口相談所(045-451-9648)もあります。お電話でどうぞ。 |
編集後記 | |||||||||||||||||
国選弁護当番制度が実施されることになるかもしれません。弁護士会の国選事件担当の職員の方は、これまで会員に国選事件を引き受けてもらうために大変苦労をされていたように思います。その点も含めて制度の改善と評価できるのではないでしょうか。しかし、当番制になると紙面にあるように、大変苦労をする会員が出てくることになりそうです。構造改革の「痛み」の比にはなりませんが、これも司法改革の「痛み」の一つと考えるべきなのでしょうか。 | |||||||||||||||||
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