|
酒と家族をこよなく愛し、年に何十回と行くゴルフはシングルの腕前、時にはキャンバスに向かって油絵を描く…そんな永井新会長は趣味の人のイメージが強い。しかし、弁護士会に対する思いは熱く、いくつかのヴィジョンも用意しているらしい。この一年、この人一流の思い切った発言で会員をドギマギ(?)させてくれることだろう。早速、編集委員会としてインタビューを試みた。 |
―二〇〇〇年という節目の年に就任され、今の素直なお気持ちをお話しいただけますか |
大変なときに、会長になったというのが正直な気持ちでしょうか。御承知のとおり、司法制度改革審議会の中間報告が秋に出る予定です。これについて、慎重に検討して、速やかな会内合意を形成しなければならないと思います。 |
―弁護士・弁護士会を取りまく問題をどの様に考えていますか |
司法改革が最重要課題でしょうね。この一年は二一世紀の司法制度を決める年だと思います。 |
―三月の日弁連臨時総会で、広告規制の緩和が承認されましたが、それに関連して、会として何か具体的なお考えはありますか |
市民向けの会員名簿を年度内には発行したいと考えています。ただし、顔写真の取扱いや、本という形にするか、ホームページでするのか等については、まだ検討しなければならないと思います。 |
―法曹養成についてはどの様にお考えですか |
司法試験の合格者は既に一〇〇〇名となり、修習期間も一年半になりました。これらを考えますと、事前研修と新規登録弁護士研修を充実させなければならないでしょう。将来の法曹を担っていく人たちですから、法曹養成は大切だと思います。 |
―県民集会は開催するつもりですか |
県民集会については、今後常議員会でお決め頂く訳ですから、私がここで開催すると言うことはできません。ただ、昨年の県民集会は成功したと思っていますので、開催する方向で検討したいと思います。 |
私個人としては県民集会というネーミングはあまり好きではありません。もっと多くの方が気軽に参加したくなる様な名称にしたいのですが、いい考えが浮かばなくて困っています。 |
―司法改革をテーマとして集会をするということは考えていらっしゃいますか |
司法改革を市民に訴えるためには、何か集会をした方がいいとは思っています。しかし、残念ながら会財政を考えると、県民集会とは別に集会を開催する余裕はありません。 |
―会財政はそんなによくないのですか |
はい、かなり悪いと思います。司法改革より、財政改革をしなければならないという人もいます。横浜弁護士会の会費は他会に比べてかなり高額ですので、値上げはしたくないのですが、限界かも知れません。 |
行政の法律相談から事務委託費として、いくらかを納付していただくということも検討したいと思っています。 |
―会名変更についてはどのようなお考えですか |
私自身は神奈川県弁護士会にすべきだと思っています。私は横浜生まれの横浜育ちですから、横浜弁護士会という名称に愛着も誇りも持っています。しかし、市民の目から見れば、横浜弁護士会という名称は、横浜市に事務所を有する弁護士だけの集まりであるとの誤解を生みやすく、神奈川県内に事務所を有する弁護士全員が加入しているとの実体をわかりづらくしていると思います。従って、このような誤解を避けるため、会名を変えるべきだと考えるのです。しかし、この問題については、従来、会内での意見も賛否両論が対立、拮抗していますので、慎重に検討していかなければならないでしょうね。 |
―ご自身にとって、この一年はどの様な年になりそうですか |
最初にも言いましたとおり、大変な一年になると思います。ただ、副会長の皆さんにも言っているのですが、楽しんで会務をしようと思っています。 |
―最後に会員に一言メッセージをお願いします。 |
会員の皆様のご協力をお願いすることが多くなると思います。一年間よろしくお願い致します。 |