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RIBBON |
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2024年09月20日杉本 朗弁護士
『RIBBON』は、2022年に公開された、のんの劇場映画第1作で、脚本・監督・主演をのんがつとめています。予告編は岩井俊二が制作し、主題歌はサンボ・マスターという、新人監督劇場映画第一作としては、なかなか力の入ったプロモーション体制です。
のんはご存知のとおり、能年玲奈の本名で、2013年度のNHK朝の連ドラ『あまちゃん』の主役を務め、その後いろいろあって、のんの芸名で幅広く活動することになりました。余計な話になりますが、朝の連ドラについては私たちの業界で最近盛り上がっていましたが、個人的には『あまちゃん』を超えるものはないと思っています。もともと朝の連ドラは「女の一代記」というコンセプトで作られていて、ある程度時間的な幅を持って描かれているのですが、『あまちゃん』はほぼ現在に舞台を持って来て、社会的コンテキストを次から次へとぶちこんでは脱構築するし、どっちかというと現代音楽の人に昭和歌謡やらせるし、歌手と影武者の配役の妙とか、今でも見ると新しい発見があります。
さて、そののんの劇場第一作は、コロナ禍のため卒業制作が中止になってしまった美大生の挫折と再生の物語です。法学部の私には、え、卒論書かなくてよくなったの、ラッキー、ぐらいにしか思えないのですが,美大に行ってる人たちにとっては、卒制が4年間の集大成であり、それがなくなることによる喪失感は相当なもののようです。
幻想的なリボンによる表現は人によって好き嫌いが分かれるかも知れませんが、つい最近私たちが体験したコロナ禍を振り返るとともに、自分が生きていることの意義を考えることは意味があるように思います。
ちなみに映画に出てくる美大は「帆智美術大学」ですが、「多摩美術大学」から取られています(たぶん)。ポチタマですね。ロケーションも多摩美の上野毛校舎と八王子校舎が使われています。印象的なキャンパスの中庭とか、走り抜けて行く大学脇の道路は、上野毛校舎です。
実は多摩美の上野毛校舎は私の自宅から歩いて5分くらいのところにあり、映画を見たとき、ああ、あそこあそこ、と思ったりもしました。
しかし、その上野毛校舎も現在1号館を除いて建替工事が進んでいます。映画では印象的だった中庭もすべて壊されてしまいました。残念なような気もしますが、外から見ても建物の老朽化が感じられたので、仕方ないことなのかもしれません。
写真は建替の進む多摩美術大学上野毛校舎 2024年9月7日 撮影者杉本 朗
執筆者情報
弁護士名 | 杉本 朗 |
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こちらに記載の事務所情報等は執筆当時の情報です