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金の豚

2024年07月05日山田 晃嗣弁護士

  弊所には、ベイスターズのマスコットキャラクターであるスターマンやフクロウといった様々な動物のぬいぐるみや置物がある。

  その中でもひときわ異彩を放つのがこれである。

写真1
写真2
 

  そう、金の豚である。なんとも不敵な笑みを浮かべている。そうはいっても、風水的に金の豚は非常に縁起のよいものであるらしい。私は何となく豚を触ってみた。

  ブーブーと音が鳴り、手に金のラメが付いた。ますます気味の悪い豚である。

  私が金の豚を鳴らしていたところ、疲れていると思ったのか事務員さんからお菓子をいただいた。それ以来、私は、金の豚を鳴らすようになってしまった。毎回ではないが、ときたまお菓子をもらえるからである(もっとも弊所では15時になるとおやつが出てくるため、プラスアルファのお菓子である。)。

  ある日、とある実験の存在を知った。その内容は、レバーを押すと餌が出てくる装置をネズミに与えて行われたものである。まず、レバーを押したら常に餌が出てくるという設定で実験を行ったところ、ネズミは、おなかが減った時にしかレバーを押さなくなった。これに対して、レバーを押したとしても、たまにしか餌が出てこないという設定にしたところ、ネズミは、他のことには目もくれず、必死にレバーを押すようになった。

  すなわち、常に餌がもらえるというわけではなく、「もしかしたらもらえるかもしれない!」という不確実な要素の存在によりドーパミンの分泌が促され、ネズミは熱心にレバーを押していたのである。

  よもやよもや私はネズミかと思ったのもつかの間、この不確実性という要素は、弁護士の仕事と切っても切れないものではないかと思った。

  訴訟であれ交渉であれ何であれ、程度の差はあれど紛争には必ず不確実な要素が含まれており、おおよその見通しがつくような事案もあれば、道なき道を進むような事案もある。いずれにせよ、よりよい解決策はないか、何とか道は切り開けないかという思いから、事実や法令の調査を行い、判例や書籍を読み込み、起案や交渉を行うのである。

  身の引き締まる思いがし、早速事案に取り組んだ。

  金の豚はやはり縁起物のようである。

執筆者情報

弁護士名 山田 晃嗣
事務所名 明大昭平・法律事務所
事務所住所 横浜市中区本町2-19弁護士ビル7階
TEL 045-212-3618

 

こちらに記載の事務所情報等は執筆当時の情報です

 
 
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