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さよなら、友よ。

2024年04月19日須藤 公太弁護士

  今日、友が横浜を去った。

  君の新たな門出なのだから笑顔で送り出さないといけないことは分かっている。でも、どうしても涙が止まらない。

  君と初めて会ったときのことをはっきりとは覚えてはいない。君は僕より年齢も弁護士歴も3年後輩だったが、気付けば君は僕らの輪の中にいて、一緒に委員会活動をしたり、わいわい遊んでいた。それから数年が経ち、僕が弁護士1人でやっている事務所に君を誘い、一緒に働くことになった。

  君は、勤務弁護士、いわゆるイソ弁として、形式的には僕の部下にあたる。でも君は僕のことを上司扱いすることなく、なんなら僕をイジリ倒すくらいフランクに接してくれて、5年半、仲良くやってきた。僕が子どもの出産立会で急に動けなくなったときにとんでもなく重い事件の和解に君1人だけで行ってもらったり、コロナ禍の無音の世界の中で2人きりの事務所にロックを爆音で掛けながら破産申立の準備をしたり、一緒に出張に行くときには君が作った「旅のしおり」を頼りに野湯を探して歩いたり、かなり誇張した先輩たちのモノマネをして大笑いしたり。いろんなことがあったけど、いつも本当に楽しかった。

  君がいつかは故郷に帰って独立したいという強い思いを持っていることははじめから聞いていた。それは素晴らしいことだし、止める気は毛頭なかった。だから、君が旅立つ日までできる限りのことをしてあげようと思っていた。でも結局、この5年半の中で僕が君にしてあげられたことといえば、ポイ活の大切さとGⅠレースでの僕の本命馬(まず間違いなく来ない)を教えたくらいで、本当に何もしてあげられなかった。そんな中でも君は自分自身でしっかりと研鑽を積み、どんどん実力を付けてまじめに仕事をし、周りからの信頼を得ていたな。そんな君を僕は心から誇りに思う。
そして、君は僕にとって部下でもなんでもない、紛れもなく友だと思っている。

  令和6年3月31日。晴れ渡り、初夏のような日差しが降り注ぐ新横浜駅。これでお別れだ。
友よ。ありがとう。健やかに。がんばれよ。さよなら。

写真1

新横浜駅ホームにて

 

執筆者情報

弁護士名 須藤 公太

 

こちらに記載の事務所情報等は執筆当時の情報です

 
 
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