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食物アレルギーと飲み会

2024年01月26日青木 敦子弁護士

 1 食物アレルギー持ちの飲み会~問題編~

 コロナ禍も落ち着きを見せ、そろそろ飲み会の開催が増えてきた今日この頃、食物アレルギーの表示が変わるのはご存知ですか? 推奨表示から松茸が削除され、代わりにマカダミアナッツが追加候補になったそうです。

  私も食物アレルギー(ゴマ)を持っており、飲み会を始めとした外食は悩みが尽きません。

 ⑴食物アレルギーについての基礎知識

 厚労省のHPによれば、重篤な即時型アレルギーを起こす食材として①鶏卵(33.4%)と②牛乳(18.6%)が半分以上の割合を占め、子どもの食物アレルギーで多いのも①鶏卵②牛乳の順です。

 前提として、子ども(1歳前)の9割が上記食物アレルギーの耐性獲得が期待できるのですが、逆を言えば、1割は成人になっても食物アレルギーを持ち越すため、鶏卵や牛乳を一生食べられない人もいます。 

  他方、成人の食物アレルギーは子どもと逆で耐性獲得がほぼ期待できない(=治らない)ため、対処法は原因物質を避けるしかありません。

  なお、成人の食物アレルギーで多い食材は、①エビ・カニ②鶏卵③魚類④牛乳⑤貝類⑥果物⑦そば⑧その他(←ゴマはここ。)になります。

  ⑵動物福祉上の問題とアレルギーのリスク

 ちなみに現在流通している鶏卵と牛乳のほとんどが動物福祉上問題視されています。

 例えば、鶏卵は、卵を産まない不要な雄ヒヨコ約1億羽を毎年殺処分し、本来のサイクルを無視して雌鶏に大量に卵を産ませることを前提に大量生産が成り立っています。

 また、牛乳についても、牛の赤ちゃんは牛乳を飲めず、母牛は牛乳を出すために常に妊娠状態にさせているのです。

 しかも鶏卵や牛乳は重篤な即時型アレルギーを起こすリスクが大きい食材であることに鑑みると、外食での使用を減らし、代替卵の使用も選択肢としてあり得るでしょう。

 2 食物アレルギー持ちの外食対策

 販売されている食品については、食物アレルギーの表示が義務付けられていますが、飲食店で提供される食品や出前には表示義務がないため、個人的に次のような外食対策をしています。

 ⑴外食しない:一番早い&確実です。ひもじいのが問題。  

 ⑵チェーン店しか利用しない:
ファミリー向けだと子ども向けにアレルギー表示があることが多いです。

 ⑶決まったメニューしか注文しない: 
一度食べて大丈夫だったメニューを注文し続けます。難点は、お店の人に「『お魚定食』が来たよ...」とかあだ名をつけられることでしょうか。

 私はモスバーガーの「グリーンバーガー」が好きで、毎回同じものを注文するので、たぶん「『グリーンバーガー』が来たよ」とか言われてるのかも知れません。

 ⑷最終手段:匂いで判断(ゴマの場合)

 3 食物アレルギー持ちの飲み会~解決編~

 とはいえ、ゴマアレルギーが心配ない店は、寿司、ステーキ、フレンチくらいしかないので毎回だとどうにも不経済ですし、そもそも私はそんなにお肉を食べないので(野菜&魚介派)大変もったいないです。

 逆に、ここは絶対ゴマがあるお店は、なんと横浜名物の中華料理!

 人生で食事を取れる回数は限られていることからすれば、私以外の方は絶対食べた方が良いですし、たった一人(しかもそんなにグルメじゃない人物)のために名物の中華料理を避けるのはどう考えても効率が悪いです。

 他方、飲み会でのドリンクの成分は一定のはず。ビール、ワイン、焼酎、フレッシュジュースなど、いずれも原材料が明らかですし、デザートもゴマ団子を除けばあえてゴマを使うものはほぼ無く、かつ原材料も十分予測できます。

写真

 そこで、よそでご飯を一杯ひっかけてから、コースではない食べられそうな単品と、ドリンクやデザートのみの途中参加が一番気を使わなくてありがたいです(私の場合はですが)。

 せっかくの会食の場、感染症対策やアレルギーを含めた食の安全にも(出来れば動物福祉にも)気を配り、心置きなくお酒や食事を楽しみたいものですね。

 

(厚労省HP)食物アレルギーについて
(消費者庁HP)表示義務について

 

 

執筆者情報

弁護士名 青木 敦子
事務所名 あきくさ法律事務所

 

こちらに記載の事務所情報等は執筆当時の情報です

 
 
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