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四角い大人の頭

2023年09月15日中原 誠人弁護士

 子供の頃、居間のテレビで通販番組を眺めていた時に疑問に思ったことがあります。
 その通販番組では最新型のテレビを紹介していました。そして、販売員がこのように宣伝します。「どうですかこの高画質!」と。ところが、当時私がこの番組を見ていたテレビは古く、画質の粗いものでした。そのため、映っていた最新型のテレビが映す映像は、画質の粗いものになってしまったのです。
 最新型テレビの画質の良さを体感するためには、高画質なテレビで見れば良いわけです。しかし、最新型テレビの画質の良さを遺憾なく発揮できるテレビを既に持っているのであれば、高画質がウリの最新型テレビをわざわざ購入する必要はないのです。
 そのため、テレビ番組で高画質がウリのテレビを紹介することは、意味がないことではないのかと思ったのです。

 最近、突如としてこの疑問を思い出しました。子供の頃の自分が疑問に思うくらいだから、きっと多くの人が疑問に思っていることだろうし、何なら「○○のパラドックス」とかいう名称がついて誰かが考察しているだろうと思い、インターネットで検索してみました。ところが、意外とこのような疑問に言及している人は見つかりませんでした。

 誰も疑問に思わないことについて、子供ながらに疑問に思えていた自分を褒めてやりたい気分になりました。また、今では思い出せませんが、昔はこの種の疑問をいくつも抱いていたような気がするものですから、自分は柔軟な頭をしていると、束の間そう思いました。
 しかしよく考えてみると、大人になってこの種の疑問をめっきり抱かなくなってしまいましたし、それどころか、何かに疑問を抱くこと自体減っていることにも気が付きました。

 普通に考えれば、年齢を重ねるにつれ知識や経験も増えますし、それは疑問を抱くきっかけとなるはずですから、様々なことに疑問を抱くようになるはずです。
 ところが、私自身に限っていえば、大人になって感性が鈍ってきているのか、あるいは知識や経験が邪魔をして疑問に蓋をしているのか、疑問に思う力が逆に子供の頃より衰えた気がします。そして、このような話はちらほら聞く話ですので、似たような人も多いのだと思います。

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 私自身、疑問に思う力を取り戻す解決法を知らないので、教訓的な話は何もできずに終わってしまいますが、どなたか、このような現象の名称をご存じではないでしょうか。あるいは、何か良い名称をつけて下さいませんか。

 

 

執筆者情報

弁護士名 中原 誠人
事務所名 小嶋総合法律事務所
事務所住所 横浜市中区住吉町1-12-1 belle横浜6階
TEL 045-222-0560
FAX 045-222-0561
メールアドレス nakahara@kojima-law.jp
Webサイト https://www.kojima-law.jp/

 

こちらに記載の事務所情報等は執筆当時の情報です

 
 
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