寄り道｜神奈川県弁護士会

神奈川県弁護士会とは

寄り道

　寄り道が習慣になりました。
仕事の帰り道、子供のお迎えをして、保育園を出ると、ながーい帰り道が始まります。

　4歳になる子供は、まっすぐ帰るのは嫌、さあ、今日はどこに行こうかと辺りを見回し、気の向くままに歩き始めます。

　プリンやアイスを食べたり、お買い物をしたり、展望台に登ったり、公園や遊園地を覗いたり、バスに乗ればあっという間の道のりを、あっちこっち行ったり来たりしながら、お家に向かいます。お家に着くころには暗くなってしまうほどです。

　思えば、コロナ渦に復職後、仕事と子供との時間の両立は、毎日が時間とのたたかいでした。

　急ぎの案件を抱えている中で保育園が休園になってしまうこともあり、できるときにできるだけ進めるという気持ちで、仕事をしてきました。

　お家に帰ってからも、明日はあれをしないと、これももう一度検討しよう、など考えていると、「ママ怖い顔しないで！」と言われることもしばしばでした。

　子供も帰宅後もママが慌ただしくして、一緒に遊んでくれないのは不満だったようで、いつしか子供の「今日は寄り道していこうよ！」、「今日はプリン食べて行こうよ！」というお誘いが日常となりました。

　暑かったり寒かったり、雨が降っていたり、荷物がたくさんあったりする日も、バスには乗りたがりません。

　でも、子供のぷにぷにしたお手てを繋ぎ、ひょうきんな子供の変顔に、たくさん笑いながら歩いていると、疲れも吹き飛び、緊張していた気持ちも解れてきます。

　私たちの仕事は、ときに深刻な対立の中に入っていくこともあります。依頼者の様々な思いに寄り添いたい、適切に迅速に解決したいと常に思いながらも、容易に解決できる紛争などめったにありません。

　ひとつひとつの案件の解決には、時間とエネルギーが必要です。

　気持ちを新たに、最善の仕事をするためにも、帰り道のひとときは、とっても大切な時間となりました。

ある日の帰り道の風景

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