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生成AIと弁護士。

2023年06月16日川口 崇弁護士

2023年現在、生成AIによる自動化が騒がれています。
神奈川県内では横須賀市が、本年4月にChat-GPTの活用実証を開始し、6月に結果報告をしました。

我々弁護士も、新しい技術をいち早く取り入れる横須賀市の姿勢を見習うべきでしょう。
私も、お手軽に使える生成AIを利用した検索エンジンであるMicrosoftのBing(ChatGPT4)とGoogleのBard(LaMDA)で、所属事務所の情報「横浜家庭法律事務所」を検索してみました。なお、両サービスはプレビュー版(試験運用段階)であることを申し添えます。

写真1

検索ワード:「横浜家庭法律事務所について教えて」

両サービスとも、瞬時に口語調で検索結果をまとめてくれる新しい検索体験に感動します。
一方で、生成AIが、検索結果として引用するウェブページを間違えて、「川口崇弁護士」以外の弁護士(存在しない弁護士名)の情報を表示してしまうことや、有料の法律相談料を無料だと案内してしまうなど、簡単な検索内容であっても正確性に課題が見られます。
同じ検索ワードでも、5月(背景黒)と6月(背景白)の検索結果の正確性が逆転する(Bingがより正確になり、Bardが不正確になる)という不思議な現象が起きました。

さて、生成AIの特に怖い点は、誤った情報をいかにも真実であるかのように述べてしまうことです。
利用者は、生成AIが「機械的に」(ここでは、機械が動くように、意思をもたずに決まった動作を行うように)正確な回答をしてくれることを期待しますが、実態は違います。
利用者には、生成AIの情報ソースを確認する資質が求められているのかもしれません。

最近、ニューヨーク州では米国のある弁護士がChat-GPTの回答をもとに「存在しない過去の判例」を引用して裁判所に提出してしまい問題になったという事件がありました(Gigazineの記事「弁護士がChatGPTを使って作成した申請書で存在しない過去の事例がでっち上げられていたことが判明(2023年05月29日)」)。
また、日本では、個人情報保護委員会が「生成AIサービスの利用に関する注意喚起等について(令和5年6月2日)」を発出しました。
弁護士業務に生成AIを活用することは、正確性からも依頼者の個人情報保護の観点からも、まだしばらく慎重になった方が良いかもしれません。
AI技術は発展途上ですが日進月歩ですので、得意・不得意を見極めつつ、技術の進歩を見守りたいと思います。

ここまで書いてから、効果的な生成AIの活用方法を思いつきました。
「生成AIと弁護士」というタイトルでコラムを作って!と生成AIに頼めばよかった(ノ▽`)

 

執筆者情報

弁護士名 川口 崇

写真

事務所名 横浜家庭法律事務所
事務所住所 神奈川県横浜市中区扇町1-1-25
TEL 045-550-3323
FAX 050-3488-5671
Webサイト https://www.katei.yokohama/

 

こちらに記載の事務所情報等は執筆当時の情報です

 
 
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