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生き物係り |
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2023年01月13日幸 裕子弁護士
子どもの頃、昆虫や魚などの身近な生き物を捕まえて飼うというのが、面白くて好きだった。子どもの頃はあまり深く考えずにやっていたが、最近になり、なぜ面白いのか理由を考えた。思うに、捕まえるという行為は、生き物と対峙すること。そして飼ってみて初めて、外で見かけるだけでは到底見ることのできない様々な場面を観察することができる。さらには、その生き物の生存に不可欠な環境について考える機会を与えられ、人の手で再現することの難しさを知り、生き物自体だけでなく生息環境を含めて、自然への理解が深まるのではないだろうか。
5年前、私は子どもの親になった。
私の子どもの頃からの経験上、昆虫採集や生き物観察を楽しむ子どもは少数派だ。他方、私は我が子とともにそれらを楽しみたいし、さらには自然に親しむ人間に育ってほしいと、切に願った。私は、子どもが生き物好きになるにはどうしたらよいのかを、真剣に考えた。親の好みを子どもに押し付けるのは良くないが、子どもと一緒に楽しめる趣味があれば、親子の時間はもっと楽しくなるはずだ。好きなものを好きになってもらう努力をすることくらい、許されるはずだ。
とにかく、生き物や自然に関連して面白いと思う体験を数多く積むことだという仮説のもと、幼いうちから、海へ山へとせっせと足を運び、それらに触れる機会をできるだけたくさん設けてきた。決して押し付けない、提供し、嫌がればそれまでという自主規制は順守してきたつもりだ。
子どもの頃の自分が好きだったもの、面白いと思ったことを、子どもと一緒に再体験すること、そしてそれで喜ぶ子どもの姿を見ることは、無上の喜びだ。
かくして、子どもは生き物好きに育った。網さばきもうまくなってきた。子どもが海で魚を捕獲する様子などを見ては、私は心の中でガッツポーズをしながら、子どもに心からの賞賛を贈る。
そして日々、せっせと生き物係りをする私である。
執筆者情報
弁護士名 | 幸 裕子 |
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事務所名 | 横浜ジーニアス法律事務所 |
事務所住所 |
〒220-8138 横浜市西区みなとみらい2-2-1 横浜ランドマークタワー38階3805区 |
こちらに記載の事務所情報等は執筆当時の情報です