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星を眺めるのにも...

2022年06月17日真船 裕之弁護士

 新型コロナウイルス感染症の流行に伴う社会活動の自粛は,様々な影響を生んでいますが,最近私がそれを感じた中の一つで,少し意外だったお話をしたいと思います。

 私は大学時代に天文サークルに所属していたのですが,このサークルにとっても,新型コロナウイルス感染症の影響は大きなものでした。大学入学も20年前になろうかという私のところにサークルの窮状が伝わってきたのは,やはり,法律に絡む相談事が出てきたためです。

 このサークルは,遠方に土地を借りて,サークル所有の観測機材の倉庫と休憩所を兼ねた観測所と呼ばれているプレハブ小屋を所有しています。天体観測をしていると夜はあまり寝ませんし,学生にとっては宿泊費の負担は馬鹿になりません。また,天体望遠鏡などの観測機材はサイズ・重量を考えると簡単に持ち運ぶこともできないものも多いですし,これも良い物を買うのは中々値が張ります。観測所はそんな部員たちの強い味方として愛されてきました。

 私も,最近はせいぜい旅行に双眼鏡を持って行くくらいになってしまいましたが,学生時代は,この観測所で星を見ながら一晩中語らったり,天体写真を撮るために寒さに震えながら10数分から,長いときには数時間もシャッターを開けっぱなしにしているカメラを見守っていたりしていたものです。

 さて,そんな中,新型コロナウイルス感染症の影響で約2年間,大学のサークル活動が滞ることになります。元々,1,2年生のサークルですので,2年間活動が出来ないと部員がほぼ0になるという壊滅的な影響を受け,維持費の確保が難しくなってしまいました。更に,プレハブの老朽化も激しく,それも利用頻度の低下に繋がっていました。

 幸い,従前の積立が比較的余裕があったこともあり,新しいプレハブを購入し,改めてOB/OGを含めて利用を促進することで現役部員の利用を再度促していくべきでは,という案が管理を担っていた有志メンバーの中で出たのですが,そこで,法律的に問題がないか私の下に相談が来たというのが今回の話でした。

写真

 ちなみに,この件,最初の契約の正確な日時が不明だったのですが,その場合,どういうことを考えておく必要があるでしょう...というのはそこそこ複雑な法律問題があったりします。応用で,観測に使っているプレハブがない土地のみを借りていた場合は更に別の問題が...と仕事としても中々刺激になりました。

 学生時代には気楽だった星を眺めるだけの行為にも,法律問題は潜んでいるなあ,などと,少し職業病的な感想を持ってしまった一件でした。

 

 

執筆者情報

弁護士名 真船 裕之

 

こちらに記載の事務所情報等は執筆当時の情報です

 
 
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