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春はあけぼの、夏は・・・

2022年04月15日兼島 俊弁護士

 私はおじいちゃんっ子である。

 文章の書き出しって難しいですよね。
 「吾輩は猫である。」や「国境の長いトンネルを抜けると~。」など、名作と評される小説は、この後どうなるのだろう、と読者を引き込むような書き出しで始まっています。もちろん、これら名作には遠く及びませんが、少しでも近づけるよう、推敲を重ねた結果が冒頭の書き出しとなります。「吾輩はおじいちゃんっ子である。」の方がよかったかなと後悔しています。
 なお、冒頭の書き出しを読んで、本コラムの今後の展開に興味を持っていただいた数名の読者の皆様には申し訳ありませんが、このまま最後まで特に何も起こらないことを申し添えます。

 さて、往年の名投手・伊藤智仁選手のスライダーくらい逸れに逸れまくった話を本題に戻したいと思います。

 私の家は両親共働きだったため、小学校1年生の間は、学校まで祖父に迎えに来てもらい、両親が帰宅する時間になるまで祖父母宅で過ごしていました。
 祖父母宅では主に祖父と遊んで過ごすのですが、普通であれば、おじいちゃんと孫が遊ぶ場合、おじいちゃんが孫サイドに全力で寄せに行かないと遊びなど成立しません。
 ところが、私の祖父は天然なのか私のことを近所のゲートボール仲間と勘違いしていたのか、全く孫サイドに寄せることはしませんでした。遊びといえば囲碁か将棋、それに飽きたらテレビで大相撲の中継を見る、の繰り返しでした。もう一度言いますが、私は当時小学校1年生です。

 もっとも、私は大相撲中継を見るのはとても好きでした。当時は若貴時代全盛期。曙、武蔵丸といった外国人力士もタレント揃いで、毎日17時頃になるとワクワクしてテレビの前に座っていました。水戸泉の真似をして、祖父母宅のリビングで山盛りの塩をばら撒き、普段怒らない祖母に引くほど怒られたのもいい思い出です(ぜひ「水戸泉 塩」で検索してみてください)。

 そんな祖父の影響もあり、私はしばらく大相撲大好き少年だったわけですが、小学校5、6年生になった頃、テレビのバラエティ番組か何かで、「春はあけぼの、夏は武蔵丸~。」というフレーズを耳にしました。
 今聞くとこちらが恥ずかしくなるようなギャグですが、なんといっても当時の私は生粋の大相撲大好き少年ですから、そのフレーズに大ハマりしてしまい、壊れたCDウォークマンのように同じフレーズを何度も繰り返していました。

 すると不思議なもので、大人になった今でも大相撲中継を見るたびに上記フレーズを思い出し、一人でニヤニヤしてしまうのです。
 傍から見ると完全に怪しいやつですが、その瞬間、私の頭の中では、祖父との思い出や当時の祖父母宅の光景、祖母に怒られた際とっさに「だって水戸泉がやってたから。」と意味不明な言い訳をしてしまった思い出などが鮮明に蘇ってきます。その時間がなんともノスタルジックで、奇妙で、たまらなく好きです。

 宣言どおり最後まで特に何も起こらないコラム、いかがだったでしょうか。また機会を頂けるのであれば、次回は「相対性理論と量子論」について書きたいと思います。

 

執筆者情報

弁護士名 兼島 俊
事務所名 武蔵小杉あおば法律事務所
事務所住所 川崎市中原区新丸子東2-925 白誠ビル2階
TEL 044-789-5441
FAX 044-789-5442

 

こちらに記載の事務所情報等は執筆当時の情報です

 
 
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