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最高のいじめ予防 |
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2021年11月19日瀬嵜 朝子弁護士
昨年は,初めての緊急事態宣言下に一斉休校となった異例の年でした。2カ月遅れの新年度,当時小学5年生になった娘も,私も,クラスや担任も変わってスタートするコロナ禍の学校生活に,不安でいっぱいでした。ですが,初登校の日,娘は帰宅すると,「S先生になった!」と満面の笑み。
S先生は,娘が1年生のとき担任だったママさん先生です。当時,娘は大病があり,その手術の日は,秋の学校遠足の日でした。その遠足バスが娘の入院する病院の近くを通ったとき,S先生とクラスのみんなが,「Hちゃん,がんばれー!」と叫んでくれたこと,今でも思い出です。
そんなS先生が娘の2度目の担任となり,コロナ禍の新学年が始まりました。学校生活は制限だらけというのに,娘は,毎日学校がどんなに楽しいか,嬉しそうに話してくれます。その様子は,S先生の学級通信からもうかがえて,クラスでは,毎日,子どもたちの誰かが,S先生から出されたお題についてのスピーチをすることになっていました。
そんなあるときのお題は「うそ八百」。子どもたちが繰り広げる作り話は,壮大で奇想天外。「私は怒りパワーでクレーターを作ってしまう」「僕は部屋の中で巨大生物を飼っている」「私はもう一人いて交代で学校に来ている」等々。
話を聴いた子たちとS先生は,話をした子に質問したり感想を言ったり,驚嘆の声や笑い声がクラスにあふれる様子が目に浮かぶようでした。
コロナ禍の生活で見つけた,ささやかな楽しみ。子どもたち一人一人の話に,クラスみんなで共感する。共感し合う子どもたちと先生。クラス全体が結ばれていく温かい信頼関係。
子どもたちと同じ目線で共感し,ピリッとした人権感覚できっぱりと子どもたちを叱りもする,S先生。
最近,小学校へいじめ予防授業をする機会があって,こんなS先生のことが思い出されました。どの小学校のクラスも,こんな風に,いじめなんて,無縁になれるといいなあと,思いました。
娘の図画作品「カラフル夜空」
執筆者情報
弁護士名 | 瀬嵜 朝子 |
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こちらに記載の事務所情報等は執筆当時の情報です