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椎茸先生の話 |
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2021年05月21日中田 剛史弁護士
漫画家・手塚治虫先生の作品「ブラック・ジャック」の中に椎茸先生という医師の話があります。
椎茸先生は,大病院に勤務するベテラン医師で腕も一流です。
ところが,病院内でおこる派閥争いや出世にまったく興味がありません。
そのために,周囲の医局員らからは下働きを押し付けられたり,その存在を忘れられて昼行燈のごとくに扱われてしまう始末で,一言でいうととても地味な存在です。
そんな椎茸先生が,ある事件をきっかけに大活躍します。
椎茸先生の実力を知った周囲の医局員らは目を見張る,そんなお話です(詳しくはぜひ原作をご覧ください。)。
私は,この話がとても好きです。
「ブラック・ジャック」では,死や人間の本性を直視した後味の悪い結末になる話が数多く登場します。
そのような中で,なんとも爽やかな結末にほっとします。
決して卑屈になることなく腕を磨き続け,活躍すべきときは大いに活躍する椎茸先生の姿勢も医師としての志の高さを感じさせ,実に清々しいものがあります。
この話の中で,椎茸先生は六等星にたとえられています。
六等星は,地球から見ると暗くて目立たないのですが,実際は太陽よりも明るく大きな星であることもあるそうです。
「椎茸先生は目立たないけれども実はすごい人」
つまりそんな意味でしょうか。
それ以外にも,この話にはもう一つ別の意味があるように思います。
地球からはるか遠くにある六等星。
「椎茸先生の域に達するには,はるか遠い道のりをいく必要がある」
この話を読み返すたびに,おこがましくも,専門職としては,いつかは椎茸先生のようになりたいと思います。
しかしながら,その道のりがはるか遠いことを実感しながら仕事をする毎日です。
執筆者情報
弁護士名 | 中田 剛史 |
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事務所名 | なかた法律事務所 |
事務所住所 | 横浜市港北区新横浜3-13-6 新横浜葉山第3ビル802 |
TEL | 045-548-3770 |
Webサイト | http://www.nakata-lawoffice.com/ |
こちらに記載の事務所情報等は執筆当時の情報です