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阿漕ならぬアコギの世界

2020年11月06日田中 恒司弁護士

 コロナ禍の2020年、弁護士も仕事以外は原則ステイホームである。

 家にいながらどう過ごすか。私の趣味は野球とアコギである。前者は別の機会に譲るとして、「アコギ」とは「阿漕」ではなく「アコースティックギター」のことである。フォークギターもほぼ同義であるが、フォークというと何となく弾き語りみたいなイメージなのに対し、私の趣味の「アコギ」は歌わずにギター1本でリズムと和音とメロディを一緒に奏でる音楽ジャンルのことである。著名なミュージシャンでは、押尾コータロー等がいる。歌がないので、ジャズやクラシック同様に言葉(国境)の垣根がなく、世界中にミュージシャンがいる。

 音楽をライブや媒体で聴くことも楽しいが、実際に弾くこともまた楽しい。が、ギター1本でリズムと和音とメロディを一緒に奏でるのはそれなりに大変である。とくに私のような素人にとっては譜面なしに弾くことはできない。親指で低音弦(ベース)を弾いてリズムを刻みながら、人差し指から小指までの4本を駆使して和音とメロディを刻む。ときにはボディをたたいたりしてドラムの代わりもする。

 譜面(五線譜ではなくTAB譜といわれている)を見ながら悪戦苦闘するのだが、うまく弾けるとこれがなかなか楽しい。弦を弾いてボディに共鳴する音だけでなく、指が弦に擦れる音も含め、ギター特有の楽器の不自由さが表現されて、暖かい音楽となる。暖かい音楽を弾いているから自ずと心暖かい気持ちになる。阿漕な(=強欲な)気持ちはない。

 弁護士という阿漕な世界(?)にいると、仕事に追われてアコギを弾く時間はなくなりがちであるが、周りから弁護士は阿漕と言われないように、時間があればアコギを弾いていこうと思う。

 ちなみに「阿漕」とは三重県津市にある「阿漕が浦」で、「密漁を繰り返した阿漕の平治」の伝説から派生した言葉ということである。

写真1
 

執筆者情報

弁護士名 田中 恒司
事務所名 能見台法律事務所
事務所住所 横浜市金沢区能見台通22-11タハタビル201号
TEL 045-370-9975
FAX 045-370-9978
メールアドレス kohshitanaka@nifty.com

 

こちらに記載の事務所情報等は執筆当時の情報です

 
 
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