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美術展を楽しもう |
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2015年09月28日三浦 靖彦弁護士
芸術の秋。絵画鑑賞が楽しみの一つである。
幸運なことに、東京、神奈川の中だけでも、かなりの数の美術館があり、選ぶ楽しみがある。また、一つの美術展でも、ゆっくり鑑賞しようと思えば、1日がつぶれることになる。
人気の美術展を訪れると、入場制限がされるほどの混雑で、絵を見に行ったのか人垣を見に行ったのか分からなくなることもある。「なんで、こんなに混雑しているんだ。」と、腹立たしく思うこともあるが、何のことはない、自分もその混雑の原因になっているわけで、素晴らしい絵を見て心を豊かに、などと言っているメッキがすぐにはげてしまうのである。
美術館で原画を見る楽しみの一つは、絵の近くに寄って筆遣いや絵の具の塗り重ね方、うっすら残っていることのある下絵の線を確認したりした後で、少しずつ後ろに下がりながら、それらが全体像の中に埋もれて一つの作品が浮かび上がっていく様を見ることにある。こればかりは、美術館を訪れなければ味わえない醍醐味である。
また、原画を見ることは、その絵の大きさを感じることで驚きを感じる楽しみにもつながる。マネの「笛を吹く少年」は、多くの本でも紹介されている有名な絵であるが、原画を見ると、1.6メートル×約1メートルの大きさに驚いたことがある。逆に、ダヴィンチの「モナリザ」は、思ったよりこじんまりしていた。
美術展では、図録を販売しており、感銘した美術展では図録を購入して、時々眺めるのも楽しみである。昔聞いた話では、クラシックコンサートが生活の一部になっている国々では、クラシック演奏のCDを購入するのは、コンサートで聞いた演奏を思い出すためだということである。同じ事が、美術展図録でも当てはまりそうである。
かつて、ある作家が、閉館直前の美術館に入っても楽しむ方法として、展示されている絵画等のうちで、1点だけ全財産をはたいて購入できるとするなら、直感的にどれを選ぶか、と想像して駆け足で全作品を見て回る、という方法を紹介していた。
直感に任せて、自分にとって光る一品を感じ取るという方法。いつかやってみたいと思うが、入場料分はしっかりと楽しませてもらわなければという根性なので、実現はいつになることか。
執筆者情報
弁護士名 | 三浦 靖彦 |
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事務所名 | 内田邦彦法律事務所 |
こちらに記載の事務所情報等は執筆当時の情報です