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父の背中 |
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2014年12月05日新関 拓也弁護士
「親の背を見て子は育つ」。親は子の鏡であり、親の行動や考え方を見て子どもは育っていくことを意味することわざである。
私も父の背中を見て育ってきた。
私が幼い頃、父は毎週のように私と弟を公園に連れ出し、キャッチボールやサッカーの練習相手をしてくれた。私と弟は、日が暮れるまで父のミットにボールを投げ込み、父の蹴るボールを追い続けていた。当時、私は体格的に他の子よりも劣っていたが、野球やサッカーなどの球技では他の子に負けず劣らずであったのは父のおかげである。
父は多くを語らず、威厳があった。私は、父のたまの言葉を大切にし、それを信頼していた。私が弁護士になりたいと言って、大学と司法試験予備校のダブルスクールと、その後の法科大学院への進学を希望した時、「自分のやりたいようにやりなさい。」「若い時の苦労は買ってもせよだよ。」と言って後押ししてくれた。私が弁護士になった時には、本当に喜んでくれた。
父は多趣味であり、家族からは「遊びの王様」などと揶揄されていた。
私は、60~70年代のロック、特に、ビートルズ、ボブ・ディラン、イーグルスなどが好きであるが、これは父の影響である。数年前、父と一緒に、エリック・クラプトンの武道館での来日公演を観に行ったことは思い出深い。
また、私は、カメラが趣味であるが、これも父の影響である。父は単焦点レンズを好んで使用し、背景ボケの美しい写真を撮るのが上手かった。父とは競うように写真を撮っては見せ合っていた。私の構図感覚は父から学んだものである。
父が撮った私の写真
(モン・サン・ミッシェルにて)
父と最後に行った旅行
(ワイキキ・ビーチにて)
父は不誠実なことは嫌いで正義感が強かった。その反面、頑固なところがあった。良くも悪くも、これらの父の性格は、私も受け継いでいるところがあるように思う。
そんな父が先日亡くなった。家族にとってあまりにも大きな存在であった。今でもどこか父を探していて、頼りたくなるときがある。まだまだ学ぶべきことがあったと思う。父はいないが、これからも私の心の中では生き続ける。厳格な父の言葉を意識しながら、自分を正して律して生きていくつもりである。
そして、私も父と同じく二人の男の父となった。これからは、私が彼らに「父の背中」を見せていかなければならない。父が私に見せてくれた立派な背中を私は息子たちに見せていけるだろうか。
執筆者情報
弁護士名 | 新関 拓也 |
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事務所名 | 横浜関内法律事務所 |
事務所住所 | 横浜市中区南仲通1-6 関内NSビル2F |
TEL | 045-212-1233 |
FAX | 045-212-2233 |
Webサイト | https://sn-law.gr.jp/ |
こちらに記載の事務所情報等は執筆当時の情報です