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任意整理と自己破産、どっちがいいの? |
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2025年03月26日更新借金
借金で首が回らず、債務整理を考えています。大まかに、任意整理と自己破産の2種類があることは知っているのですが、それぞれどんなメリット・デメリットがあるのか、教えてください。
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任意整理と自己破産の違い
任意整理は個別に債権者(消費者金融や銀行)と直接交渉し、借金の支払猶予を得る手続です。他方、自己破産は、裁判所に対して破産申立をし、最終的に借金をゼロにする裁判所を通した手続です。 -
任意整理のメリット・デメリット
(1)メリット
大きなメリットは、自己破産に比べて諸々の資料を準備する手間がかからないこと、そして一般的に破産よりお金がかからないことです。自己破産の場合、通帳の取引履歴2年分や給与明細、申立直近2か月の家計簿等、諸々の資料を依頼者様自らが収集・作成しなければなりません。また、お金になりそうな財産(例:不動産・自動車・宝石・返戻金の出る保険)や、借金を作った原因がギャンブルや浪費にある場合は、弁護士費用とは別に20万円ほどの予納金を負担しなければいけなくなることもあります。他方で、任意整理の場合、依頼者様が収集・作成する資料はほぼ無く、弁護士費用以外の費用も(原則)かかりません。
まとめると、「自己破産に比べて手間と費用がかかりにくい」というのが任意整理のメリットです。また、自己破産の場合、不動産などの高価な財産があったら原則として手放さなければならないのに対し、任意整理の場合は、必ずしもお金になりそうな財産を手放さなくても手続を進めることができます。自分名義の不動産を所有している方にとっては、それを手放さずにすむ可能性があることは大きなメリットといえます。(2)デメリット
最大のデメリットは、任意整理は借金がなくなるわけではない、ということです。任意整理は、あくまで「支払猶予」を得る手続です。今負っている借金を原則5年(60か月)以内の分割に計算しなおして、支払っていきます。たとえば、300万円の借金を負っている場合、5年間月5万円ずつ支払うことになります。このように、任意整理ができたとしても、負っている借金が消えるわけではありません。借金が多ければ多いほど、月の支払額は多くなり、結局支払えずに自己破産に切り替える方が少なくありません。
また、複数の金融機関から借金している場合、毎月「各金融機関が指定した口座に送金する」必要があり、その意味では手間がかかります。 -
自己破産のメリット・デメリット
概ね任整理のメリット・デメリットと逆です。手間や費用はかかりますが、多額の借金がゼロになる(「免責」といいます。)可能性が高いです。ただし、税金の滞納は対象外ですし、複数回目の自己破産では、借金がゼロにならないケースもあります。他方で、ギャンブルや浪費で作った借金だとしても、1回目の破産であれば借金がゼロになることも十分にあり得ます。たまに見かける「ギャンブルで作った借金はゼロにならない」というのは間違った情報です。
なお、「自己破産するといわゆるブラックリストに載る」といわれ、これ自体は正しい情報なのですが、任意整理の場合もブラックリストに載ります。 -
まとめ
任意整理・自己破産それぞれにメリット・デメリットがありますが、弁護士目線だと、借金がゼロになる分、自己破産の方がメリットが大きいと考えることが多いです。当初任意整理にしたものの、結局支払いができず、自己破産に切り替える方は少なくありません。
どちらの手続が適しているかは、依頼者様個人のご事情によっても変わってきますので、是非一度お近くの法律事務所・法律相談所にご相談いただければと存じます。
関連情報
回答者情報
弁護士名 | 伊藤 悠 |
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事務所名 | 弁護士法人権田総合法律事務所 |
事務所住所 | 神奈川県横須賀市久里浜4-10-12 ヤマシチビル5階 |
TEL | 046-833-2927 |
こちらに記載の事務所情報等は執筆当時の情報です