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賃貸物件における自死、大家の対応は?

2024年08月28日更新賃貸借

私が大家を営むアパートの1室で、単身の入居者が自死されたことがわかりました。残念なことであり、ご冥福をお祈りしたいと思います。
【質問①】今後の入居者募集に当たっては、事故物件であることを伝える義務がありますか。
【質問②】その方の相続人や連帯保証人に対して、値下げした賃料等の請求ができるのでしょうか。

まず、【質問①】については、貸室内において前の入居者が自死をしたことは、その物件を借りるか否かを判断する際の重要な要素と言えますので、特に自死後間もない時期に賃貸する場合には、賃貸借契約締結の際にこの事実を告知する義務があると考えられます。
そのため、自死の事実を秘したまま新たにこの物件を貸した場合には、借主より契約締結にかかる意思表示を取り消されたり、損害賠償を請求されるおそれがあります。

次に、【質問②】については、賃借人は賃貸物件の引渡しを受けてからこれを返還するまでの間、貸室を善良な管理者と同様の注意をもって使用管理する義務(善管注意義務)を負うと考えられます。
そして、自死により貸室を心理的瑕疵物件としたことは善管注意義務に違反する行為と評価し得ます。
そうしますと、賃貸人は、賃借人の相続人や連帯保証人に対して、賃貸人に発生した損害(一定期間の賃料全部・一部相当額分等)を請求し得ると考えられます。

告知義務を負う期間がいつまでか、また、相続人等に請求できる損害の範囲はどこまでか等の判断については、裁判例等を踏まえた判断が必要となりますので、弁護士に相談されることをお勧めします。

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回答者情報

弁護士名 松原 雄輝
事務所名 弁護士法人大西総合法律事務所 横浜事務所
事務所住所 神奈川県横浜市神奈川区金港町1-7横浜ダイヤビルディング7階
TEL 045-594-7881
Webサイト https://www.onishi-law.or.jp/

 

こちらに記載の事務所情報等は執筆当時の情報です

 
 
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