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自筆証書遺言に押印がない場合でも、被相続人の意思を有効にすることはできないでしょうか。 |
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2023年11月08日更新相続
自筆証書遺言は封書に入っており、封が閉じた状態で相続人は被相続人から生前に封書の交付を受けておりました。被相続人が亡くなった後に検認手続きで封を開けたところ、中に入っていた自筆証書遺言書には押印がありませんでした。自筆証書遺言は無効なのでしょうか。
自筆証書遺言について、民法960条は「遺言はこの法律に定める方式に従わなければ、することはできない」と定め、遺言者の真意を確保するとともに紛争を予防するために、厳格な方式を要求しております。自筆証書遺言の要件は、民法968条に規定されています。すなわち、遺言者がその全文、日付及び氏名を自書し、これに印を押さなければなりません。
この点、自筆証書遺言には押印がないため、自筆証書遺言としては無効としましたが、その自筆証書遺言書を被相続人の財産の死因贈与の申し込みと解し、受贈者がこの自筆証書遺言の交付をうけたことをもって、受贈者が死因贈与の申込を受諾して、死因贈与契約が成立したものとした判例があります(昭和53年12月22日水戸家裁審判参照)。
このように、自筆証書遺言書がその要件を満たさない場合であっても、受贈者が自筆証書遺言書を預かったときの事情によっては、死因贈与契約の書面として、利用できる場合がありますので、最後まで諦めずに、被相続人の意思を尊重するように努力してみることも必要かと思われます。
関連情報
回答者情報
弁護士名 | 渡部 英明 |
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事務所名 | 横浜綜合法律事務所 |
事務所住所 | 横浜市中区日本大通11番地 横浜情報文化センター11階 |
TEL | 045-671-9567 |
Webサイト | https://www.breeze.gr.jp |
こちらに記載の事務所情報等は執筆当時の情報です