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近隣に新しい建物が建築されても、日照権侵害にあたるとして救済されないのでしょうか?

2023年10月31日更新近隣問題

近隣に新しい建物が建築されることは、日照権侵害にあたるのではないでしょうか。これまで、日照が確保されていたのに、突然、近隣に建物が建築されることにより、日照や通風が阻害され、日常生活にも影響が出てくるおそれがありますので、何とかしたいです。

 日照などが侵害されて救済されるには、日影による被害が受忍限度を超える場合だと思いますが、具体的に受忍限度を超えるか否かを判断する事情として、建築基準法違反の有無、地域性、日照被害の程度、被害回避の可能性、加害・被害建物の用途、被害建物が先に建っていたのか否か、建物建築に至る交渉経過等の事情が考えられます。裁判所はそれらの事情を総合的に検討の上、受忍限度を超えているか否か判断するものと思います。

 建築基準法違反がなく、地域も商業地域または準工業地域であると、受忍限度を超えているとの判断は難しいかもしれません。しかし、住居地域において、建築基準法上問題がないからといって、直ちに、受忍限度を超えていないとは言えないと思います。日照被害の程度、被害回避の可能性、加害・被害建物の用途、被害建物が先に建っていたのか否か、建物建築に至る交渉経過等も検討の上、受忍限度を超えているものとして、損害賠償が認められる場合もあろうかと思います。

 建築計画があると、施主や建築業者が近隣住民の方に予定建物に関する説明を行いますので、その際、冬至における日影図を示してもらい、示してもらえないのであれば、それを要求してみてはどうでしょうか。建築すべき建物が日影規制に違反しているか否かは日影図で分かりますが、仮に違反していなくても、建築確認が下りる前であれば、施主や建築業者との交渉により、建築変更も可能かもしれません。
また、住居地域で日照被害の程度が著しいものであるにもかかわらず、施主と建築業者が建築基準法上問題はないとして、交渉がうまくすすまない場合、調停や建築工事の差止めの仮処分の申立て等、裁判所等の第三者の機関を利用するなどして、解決を図ることも検討してみてはどうでしょうか。

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回答者情報

弁護士名 渡部 英明
事務所名 横浜綜合法律事務所
事務所住所 横浜市中区日本大通11番地 横浜情報文化センター11階
TEL 045-671-9567
Webサイト https://www.breeze.gr.jp

 

こちらに記載の事務所情報等は執筆当時の情報です

 
 
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