神奈川県弁護士会とは
- 神奈川県弁護士会の概要
- コンプライアンス
- 話し合いでトラブル解決
- 弁護士と司法書士などとの違い
- 司法を学ぶ
- 逮捕された時
- 贖罪寄付
- 弁護士コラム
- 広報誌
- アクセスマップ
- 問合せ先一覧
- こんな時どうする?~ひとくちお悩み相談~
- かなべん動画
- 現在の場所
- ホーム
- 神奈川県弁護士会とは
- こんな時どうする?~ひとくちお悩み相談~
相続における生命保険の取扱い |
---|
2023年06月14日更新相続
これから遺言を作成することを検討していますが、特定の相続人に対して、多めに相続をさせることを考えています。何かいい方法はないでしょうか。
遺言書へ直接その特定の相続人に対して多めに分与する旨記載する方法もありますが、遺言書を作成する前に、生命保険を活用する方法もあります。
まず、保険契約者である被相続人(お亡くなりになった方)が、ご自身を被保険者として、相続人の中の特定の者を保険金受取人として指名した場合、指名された者は、固有の権利として保険金請求権を取得することができます。
相続人のなかに、被相続人から遺贈を受けたり、生前に贈与を受けたりしたものがいた場合には、特別な受益(贈与など)を相続分の前渡しとして、計算上、その贈与などを相続財産に持ち戻して(加算して)相続分を算定することになっていますが、死亡保険金請求権は、この「特別受益」にもあたらないものとされています。
つまり、相続人が保険金を受け取ることができるにもかかわらず、その保険金は、「相続財産」にも「特別受益」にもあたらないということになります。
この手法を用い、特定の相続人を優遇するために、遺言書作成の前提として、その者を生命保険の受取人とするということは多々あります。
しかし、その保険金の額があまりにも多額である場合は、その保険金が特別受益に準じて持戻しの対象となることがあり、そうなると特定の相続人に対して多めに相続させるために活用する意味がなくなるので、注意が必要です。
いくらをもって保険金が多額といえるのかは、遺産総額との比率等様々な事情が考慮されることになり、一概に基準を示すことはできませんが、過去の裁判例において、保険金の額が遺産総額の6割程度のケースで、保険金を相続財産として考慮すると判断された事案がありますので、一つの参考になると思われます。
関連情報
回答者情報
弁護士名 | 楠田 真司 |
---|---|
事務所名 | 川崎ひかり法律事務所 |
事務所住所 | 川崎市川崎区東田町8番地パレール三井ビルディング11階1101号室 |
TEL | 044-223-4402 |
Webサイト | https://kawasaki-hikari.com/ |
こちらに記載の事務所情報等は執筆当時の情報です