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特別の寄与ってなに? |
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2023年02月22日更新相続
先日、父が亡くなりました。母は20年前に既に他界しており、兄弟は兄と妹の私の二人で、兄は他県に住んでいて、私は地元で結婚して主婦をしています。もともと両親は二人で小さな文房具屋を営んでいましたが、母が亡くなって以来、その分の仕事を私が毎日手伝っており、給料はもらっていません。その後、父は亡くなる三年前からは寝たきりの状態となり、父の近くには私しかいなかったので、以降は私が父の介護を毎日してきました。そんな中、父が亡くなり、遺言もなかったので、遺産は半分ずつにしようと兄が言っているのですが、これって不公平じゃないでしょうか。
お父様の法定相続人はご相談者様とお兄様の二人のようなので、その法定相続分は2分の1ずつということになります。
しかし、今回のような場合だと、生前のお父様への貢献度に大きな違いがありますから、民法の寄与分制度(904条の2第1項)によって、各相続人の寄与が相続において考慮され、上記の法定相続分が修正される可能性があります。
具体的には、「被相続人の事業に関する労務の提供又は財産上の給付、被相続人の療養看護その他の方法により被相続人の財産の維持又は増加について特別の寄与をした」場合に寄与分制度が適用されることになります。
今回は、介護は「療養看護」に、20年にもわたるお店の手伝いは「被相続人の事業に関する労務の提供」に該当しうるため、寄与分制度の適用を受けられる可能性があります。もっとも、介護の部分に関しては、親族は互いに扶養義務を負っているので、その義務の範囲内の介護であれば「特別の寄与」とはならないため、寄与分制度の適用が認められにくい傾向にあることに注意が必要です。また、お店の手伝いが寄与として認められるかは、無償であるかどうか、従事した期間、負担の程度、財産増加への貢献度、被相続人との身分関係から判断されます。
寄与分確定の手続についてですが、まず相続人間の協議で定め(904条の2第1項)、協議により確定できない場合には、寄与者の請求によって家庭裁判所が審判で定めることになります(904条の2第2項)。具体的な寄与分に関する計算方法などは、個別具体的な事例によりますので、弁護士会の法律相談窓口などでご相談いただくのが良いと思います。
関連情報
回答者情報
弁護士名 | 池田 耕介 |
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事務所名 | 明大昭平・法律事務所 |
事務所住所 |
〒231-0005 横浜市中区本町2丁目19番地 弁護士ビル7階 |
こちらに記載の事務所情報等は執筆当時の情報です