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ワイハ―気分でチル!?

2022年05月25日更新共有不動産

XYZは、共同で海辺の古い別荘を買いました。Xは、現在の和風の木造の建物を、外壁や屋根も入れ替えるフルリフォームをして洋風の新しい建物にしたいと考えています。Xは、費用を自ら負担すれば、自由にこれを行うことができるのでしょうか。

「せっかく海辺の別荘を買ったんだから、ワイハー気分でチルしたい。みんなのために自分がお金を出すんだからいいでしょ!」そんなXの気持ちも良くわかりますが、共有で買った以上はみんなの所有物ですから事はそんなに簡単ではありません。
 共有不動産に関する行為については、共有者全員に影響が及ぶため、原則として一人で行うことはできず、行おうとする行為の内容に従って必要な賛成者の数が異なり、以下の図のようになります。

行おうとする行為の内容 根拠条文 必要な賛成者の数容
変更・処分行為 民法251条 共有者全員の賛成が必要
管理行為 民法252条本文 共有者のうち持分の価格の過半数を有する者の賛成
保存行為 民法252条ただし書 各共有者が単独で可能

 何がどの行為に該当するのかは総合的に評価的されますので一概には言えないところですが、概略、変更・処分行為とは、大きな物理的変化を伴う行為や法律的に処分する行為を、管理行為とは、それに至らない範囲内での利用行為や改良行為を、保存行為とは、応急修理のような現状を維持し、価値を保存するための行為を指していると考えれば良いと思います。
 今回のような古びた和風の建物を新しい洋風な建物に変更する行為は、大きな物理的変化を伴っていますので上記のうち変更行為にあたると考えられます。
 したがって、Xが全ての費用を負担するとしても、共有者全員の同意がなければ行うことができない行為と考えざるを得ません。Xは、YZにもチルが何たるかについて理解を得なければなりません。
 共有不動産に関する行為については、解釈を要するため当事者の見解が対立する場合や判例がない場合も多いのです。お困りでしたら早い段階で弁護士にご相談ください。

関連情報

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回答者情報

弁護士名 池田 耕介
事務所名 明大昭平・法律事務所
事務所住所 神奈川県横浜市中区本町2丁目19弁護士ビル7階

 

こちらに記載の事務所情報等は執筆当時の情報です

 
 
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