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台風で近所の屋根が飛んできた! |
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2022年03月30日更新近隣問題
2019年(令和元年)9月に起きた台風の際、近所の一軒家の屋根材が強風により剥がれて飛ばされ、私の自宅の窓にぶつかって窓が割れてしまいました。原因となった一軒家の屋根は以前から老朽化が進んでいるにもかかわらず全く補修をしていないようだったので心配をしていたのですが、心配が現実になってしまいました。その一軒家の家主は「台風だから不可抗力だ」等と言って全く補償する考えがないようです。自宅の修理費を請求することはできないのでしょうか。
飛んできた屋根が設置されていた一軒家の居住者等に対しては、民法717条1項に基づき、被害にあった自宅の修理費用などの賠償を請求できる可能性があります。
民法717条1項は土地工作物責任を定めた規定であり、「土地の工作物の設置又は保存に瑕疵があることによって他人に損害を生じたときは、その工作物の占有者は、被害者に対してその損害を賠償する責任を負う。」とされています。また、「瑕疵」という言葉はあまり聞きなれないものですが、判例では工作物が通常有すべき安全性を欠くことと解釈されています。
そのため、問題となっている一軒家の居住者がその地域において通常想定される程度の台風にも耐えられないような屋根をそのままにしていたような場合には、屋根(土地の工作物)の設置又は保存に「瑕疵」があると判断される余地があります。一方で、その台風が全く想定しえないほどに強力なものであり、地域の住宅の多くの屋根が同様に飛散したというような場合には、「瑕疵」には当たらないと判断されうるところです。
このように、「瑕疵」に当たるかどうかは具体的な事実関係により判断が異なるものであるほか、仮に「瑕疵」が認められる場合であっても事故日から何年も経ってからの請求は時効により認められないことも考えられますので、事故が起きた際には早めに専門家に相談されることをお勧めします。
関連情報
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法テラス相談援助利用による近隣問題無料法律相談
回答者情報
弁護士名 | 松原 雄輝 |
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事務所名 | 弁護士法人大西総合法律事務所横浜事務所 |
事務所住所 | 横浜市神奈川区金港町1-7横浜ダイヤビルディング7階 |
こちらに記載の事務所情報等は執筆当時の情報です