神奈川県弁護士会とは
- 神奈川県弁護士会の概要
- コンプライアンス
- 話し合いでトラブル解決
- 弁護士と司法書士などとの違い
- 司法を学ぶ
- 逮捕された時
- 贖罪寄付
- 弁護士コラム
- 広報誌
- アクセスマップ
- 問合せ先一覧
- こんな時どうする?~ひとくちお悩み相談~
- かなべん動画
- 現在の場所
- ホーム
- 神奈川県弁護士会とは
- こんな時どうする?~ひとくちお悩み相談~
人身傷害保険と過失相殺 |
---|
2019年03月22日更新交通事故
この前、自動車で運転中に、他の自動車に衝突されて、怪我を負いました。過失割合は当方:相手方=20:80です。
この怪我のために、事故から6か月間も通院を余儀なくされました。
幸い、私は、人身傷害保険に加入していたために、この保険から通院期間の治療費や、慰謝料等を出してもらうことができました。
ただ、人身傷害保険から受け取った慰謝料の額では不十分と考えており、調べたところ、裁判基準の慰謝料と人身傷害保険基準の慰謝料の差額は、主に裁判等で相手方に請求できるとわかりました。
裁判において、この差額の慰謝料を請求したいのですが、過失相殺との関係はどうなるのでしょうか?
原則として、過失相殺と既払金の関係は、総損害から過失相殺を行った後に、既払金を控除したものが、損害賠償額として認定されます。
たとえば、総損害額が100万円で、過失割合が被害者:加害者=20:80、既払金が40万円の場合、損賠賠償は40万円となります(100万円―20万円(過失相殺20%)-40万円(既払金))。
しかし、既払金は、本件のように人身傷害保険からの支払いだった場合は、処理が少々異なります。
人身傷害保険による既払金がある場合には、人身傷害保険既払部分から優先的に過失相殺が行われます。つまり、人身傷害保険既払金がこの過失相殺額よりも多いのであれば、被害者自身の請求権には影響を及ぼさないです。
先ほどの例で、既払金部分が人身傷害保険であった場合について考えてみると、過失相殺額は、総損害額100万円の20%ですので、20万円となります。
そしてこの例では、既払金40万円に対して、過失相殺額が20万ですから、被害者自身の請求権には過失相殺が影響を及ぼしません。よって、この場合については、被害者の請求権は60万円(100万円―40万円)となるのです。
御質問の事例についても、人身傷害保険での既払金の額が過失相殺額を上回っていれば、過失相殺は相談者様の請求権には影響を及ぼしません。
関連情報
回答者情報
弁護士名 | 佐藤 恵輔 |
---|---|
事務所名 | 扶桑第一法律事務所 |
事務所住所 | 横浜市中区弁天通2-21 アトム関内ビル2階 |
TEL | 045-201-7508 |
FAX | 045-201-7509 |
Webサイト | http://www.hanamura-law.com/ |
こちらに記載の事務所情報等は執筆当時の情報です