2015年03月05日更新
本年2月に神奈川県川崎市で中学1年生の男子が殺害された事件について、「週刊新潮」3月12日号は、被疑者として逮捕された少年のうち1名の実名及び顔写真を掲載した。
このような報道は、罪を犯したとされる少年について、氏名、年齢、職業、住所、容ぼう等によりその者が事件の当事者であると推知することができるような記事や写真を出版物に掲載すること(「本人推知報道」)を禁止した少年法61条に反するものであり、許されない。
少年による事件について本人を推知できる報道がされれば、少年のプライバシー権や成長発達する権利が侵害され、ひいては少年の更生と社会復帰を阻害するおそれが大きい。そのため、少年法61条は、少年事件の本人推知報道を事件の区別なく一律に禁止しているのである。
これに反して実名や写真を報道することは、少年の人格を否定して一方的に社会的責任を負わせることになりかねず、少年の社会復帰と更生の可能性を決定的に阻害する行為であり、なんらの合理性も正当性も認められない。
にもかかわらず、今回、少年事件の実名報道が行われたことは極めて遺憾であり、当会は、今回の本人推知報道が明らかに少年法に違反し、犯罪報道として公正さを欠いていることについて厳重に抗議するとともに、今後、同様の実名や写真掲載等の本人推知報道がなされることがないよう、強く要請する。
2015年(平成27年)3月5日 横浜弁護士会 会長 小野 毅
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