2013年03月22日更新
弁護士は基本的人権の擁護と社会正義の実現をその使命とし、そのための制度的保障として弁護士自治が認められているところ、弁護士自治は高度な専門知識と職業倫理に対する市民の信頼を土台とし、その信頼に基づいて自治的懲戒制度が適正に運用されることを中核とするものであります。
ところが、昨年以降、弁護士が依頼者から多額の金員を詐取等して逮捕された事件、後見人や後見監督人に就任した弁護士が金員を詐取または横領した事件等の不祥事が全国で立て続けに発覚しました。かような事態は個々の弁護士の規範意識や自己規律の欠如という問題だけでなく、弁護士会の指導監督体制に制度的欠陥があるのではないかという批判にもつながっています。
当会は、一連の事件に対する各単位会等の原因究明の結果等を踏まえ、会員に対してより一層綱紀粛正と倫理の確立を求めるほか、不祥事の早期発見による被害の発生や拡大の防止、不祥事防止に全力で取り組みます。
今後、申立件数が増加している紛議調停委員会および綱紀委員会に関して、委員増員等を含めた制度上の手当てを図るほか、弁護士の弁護権や職務の独立性の保障との両立に十分配慮し、日本弁護士連合会等における議論の動向も踏まえた上で、預り金の保管状況に関する弁護士会の照会理由を拡大し、弁護士会の措置等を定めるなど預り金の取扱いに関する会規を見直す方向で検討を進めるとともに、市民窓口の機能を強化し、同窓口に寄せられた情報をさらに積極的に活用すべく運用の改善を図ることなどを実行に移します。
当会は、弁護士の不祥事をなくし市民からの信頼に応えるために最善を尽くす決意であることを改めて宣言します。
2013年(平成25年)3月22日
横浜弁護士会臨時総会
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