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会長声明・決議・意見書(2011年度)

「法曹の養成に関するフォーラム」の議事の公開を求める会長声明

2011年05月18日更新

本年5月13日、法務省は「法曹の養成に関するフォーラム」の開催を発表した。

フォーラムにおいては、司法制度改革の理念を踏まえ、法務省及び文部科学省による「法曹養成制度に関する検討ワーキングチーム」の検討結果(平成22年7月6日)と司法修習給費制の1年間の延長を決めた裁判所法一部改正の際の衆議院法務委員会決議(同年11月24日)に基づき、①給費制の存廃問題を含む法曹養成過程への経済的支援の在り方、②法曹人口問題を含む法曹養成制度全体の在り方が検討されることとなっている。本来、このフォーラムは本年3月に始動すると言われていたものが、東日本大震災により、その開催が遅れたものである。

横浜弁護士会は、昨年来、修習生の給費制維持を求めて、街頭宣伝活動、二度にわたる会長声明の発表、国会議員等への要請、給費制維持を求めるシンポジウムの開催等々の活動を行ってきた。また、司法試験合格者の人数を中心とする法曹人口問題についても、「司法試験合格者数の減少を求める意見書」を採択し、関係機関に送付するなどの活動を行ってきた。

フォーラムはこうした法曹養成制度に関する諸問題を検討する極めて重要な会議であり、そこで議論される内容は、我が国のこれからの法曹養成、司法制度のあり方にも大きな影響を与える。加えて、フォーラムの始動が遅れ、かつ、司法修習生の給費制維持を巡る問題は先送りにすることができないことからするならば、フォーラムは、短期間のうちに、集中した、かつ充実した審議がなされなければならず、そのためには、会議の内容がリアルタイムで関係各機関のみならず国民にも公開されなければならない。この点、法務省及び文部科学省による「法曹養成制度に関する検討ワーキングチーム」の検討結果も、フォーラムのあり方について「関係者の間だけで検討するのではなく、国民に開かれた議論の場を設け、正確かつ十分な現状分析を行い、幅広い意見を聞いて総合的かつ多角的な検討を行えるようにする必要がある」と指摘しているところである。

しかるところ、発表されたフォーラムの「検討の進め方」によると、「会議は非公開とする」とされ、議事内容については「原則として、会議終了後速やかに議事録を作成して公表する」というにとどまっている。しかし、フォーラムの会議を非公開の密室で行うことは、そこで審議される内容の重大性からしても、また、政策決定過程の透明化の要請に逆行するものであることからしても、政治への国民の信頼を損なうものであって、当会は、これを到底容認することはできない。

よって、当会はフォーラムを構成する関係諸機関及び有識者に対し、会議を公開し国民に開かれた審理を行うよう強く求めるものである。



2011(平成23年)年5月18日
横浜弁護士会
会長 小島 周一

 
 
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