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会長声明・決議・意見書(1999年度)

死刑執行に関する会長声明

1999年12月27日更新

法務省は、12月17日、2名の死刑確定者に対して死刑の執行を行ったことを発表した。本年9月10日に3名の死刑執行が行われたことに続くもので、1993年以降36人に及ぶ。法務省は、執行を受けた死刑確定者の氏名等を発表していないが、今回執行された死刑確定者のうち1名は再審請求中であり、もう1名については、人身保護請求が申し立てられていた。


当会は、これまでも死刑執行の都度会長声明を発表し、死刑制度についての国際的潮流を踏まえ、死刑制度の存廃についての国民的議論が尽くされるまでの間、死刑執行を一時停止するよう求めてきた。


本年は、一連のオウム事件の裁判で死刑判決が下されるなど国民の死刑制度に対する関心も高まっており、また、前回の死刑執行以後、最高裁判所では、死刑適用の判断を示す判決が続いてなされ、死刑制度についての国民的議論を深める機運は高まりつつある。


しかるに、今回も、国会閉会直後に、死刑執行の可能性を危惧し人身保護請求等がなされるなか、親族等への事前告知等の処遇改善もなんらなされないまま死刑執行がなされたことに対し、当会は、強く遺憾の意を表明するものである。特に、再審請求中の者に対する死刑執行は、再審制度を否定するものとすらなりかねない。


当会は、政府及び国会において、早期に死刑制度に関連する問題点について議論を深めることを要望し、さらに、法務大臣に対し、死刑制度のあり方についての情報を公開すること、死刑制度に関する国民的議論が尽くされるまで死刑の執行を差し控えること、及び死刑確定者の処遇改善に努めることを重ねて強く要望するものである。

 

1999年(平成11年)12月27日
横浜弁護士会
会長   岡 本  秀 雄

 
 
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