横浜弁護士会新聞

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1999年8月号(4)


第53期司法修習生の弁護修習開始 横浜配属は35名
 七月五日、ランドマークタワー七〇階のロイヤルパークホテルニッコーにおいて、第五三期司法修習生の弁護修習歓迎会が開催された。今期の横浜配属修習生は三五名(男性二二名、女性一三名)。六〇歳、七〇歳台のベテラン四名を含め、銀行や保険会社勤務など、社会経験豊かな修習生が多いのが今年の特徴である。
 横浜市内を一望する絶好のロケーションとおいしい料理に加え、司会者からは「今日は、おしゃれな場所での歓迎会ですので、各種カクテルの用意はありますが、日本酒や焼酎は出ません」との発言があり、修習生からは「さすが横浜」との声があちこちから聞こえた。
 その後の自己紹介では、一班配属の修習生が横一列に並び、各自の氏名の頭文字をとると「アサスキニコイヨ」(指導担当弁護士と一緒に酒を飲んだ夜、修習生が弁護士に期待する言葉)となることが披露されるなど、歓迎会は終始和やかな雰囲気で進行した。
 今期から修習期間が二年から一年六か月に短縮され、弁護修習も四か月から三か月になった。さらに、「社会修習」の一環として、弁護修習期間中に知的障害者施設における一泊二日の介護実習への参加が予定されるなど、弁護修習も新しいカリキュラムで実施される。
 新修習制度の第一期生となる第五三期修習生三五名は、来年一〇月には早くも新しい法曹としてのスタートを切ることになる。来年は四月に修習を修了する第五二期修習生を加え、一年間に約一六〇〇名の新法曹が誕生するため、修習生の目下の最大の関心事は、就職先の確保にあるようである。
 横浜弁護士会の皆さん。法廷で街で修習生をみかけたら、気軽に声をかけてあげてください。
(修習委員 川島 清嘉) 


私の修習日記
この二週間を振り返って

中原都実子 

 初めまして。庄司・仁平法律事務所にて庄司先生の下で修習している中原です。
 今までは、和光まで往復四時間二〇分の通所の日々だったので、往復四〇分で通勤できることに最も喜びを感じています。
 実務修習が始まって二週間ですが、毎日、新しいことを見聞しているせいか、様々な友人から『元気になったね』と言われ、自分でも心が軽やかになったと思います。そのような毎日の出来事の中で、特に印象に残ったことをいくつか挙げてみます。
 1.弁護士は切り替えが大切だということ。
 庄司先生は多種多様な事件や任務を抱えていらっしゃってとにかく忙しいのですが、次の仕事をする時の切り替えが鋭く感動しています。先生の行く先全てに同行した日の私は、疲れ果てて帰りましたが、先生は更にもう一箇所出かけられていました。あのような鮮かな切り替えをするには、常に自分をニュートラルにしておくべきなのでしょう。もちろん体力は必要ですが…。
 2.接見は疲れるということ。
 先日、県警に先生の接見(当番弁護士)に供をし、生まれて初めて被疑者と向き合いました。被疑者にとっては保釈の可否や自分の身の行く末、どの事実を認めれば罪が軽くなるか、といった点が最大の関心事で、正義や弁護士の真実義務と被疑者の利益についてしっかり考えておかなければ、と思いました。接見が終わると、言葉にできない疲労感を感じました。
 3.仕事に育てられるということ。
 弁護士という仕事は、他人の人生・苦しみに触れながら常に我が身を振り返らせてくれる希有な仕事だと思います。様々な先生の話し方や物腰に現れている不思議な貫禄は、そのような仕事の特性によるのではないか、と秘かに思い始めています。こんな若葉マークの私ですがよろしくご指導願います。
(指導担当・ 庄司 道弘会員) 

心に残った公判傍聴

新 有道 

 実務修習が始まって二週間、振り返ってみると実にいろいろあったなぁというのが今の僕の正直な感想である。ランドマークタワーの七〇階での歓迎会に始まり、事務所での歓迎会、浜新での班別懇親会、その他飲み会が目白押しである。  
 僕は出身が埼玉の狭山であり、お茶の名産地に今まで住んできた。横浜に来たことはあまりなく、ランドマークタワーに昇るのは初めてであるから、すっかりお上りさん状態である。おまけに、僕の名前はあたらしなので、いつも自己紹介は一番最初であり、緊張の連続である。しかしながら、この緊張は実にいい緊張である。
 なにしろ、僕達はお金を気にすることなく飲めるのであるから。本当に、弁護士の先生方には感謝しなければいけないなとつくづく感じると同時に、毎日毎日の飲み会のための休肝日はいつとればいいのだろうかと生まれて初めて真剣に考えてしまった。
 ある弁護士は、弁護修習では、修習生は飲んだくれていればよいと、おっしゃっていた。たしかに、心強い言葉ではある。こんなにお金のことも時間も何も気にせず、心ゆくまで飲めるという経験は一生の間にもうないかもしれないからだ。しかし、なんといっても、弁護修習ですばらしいと感じたのは、担当弁護士(仁平信哉先生)の事務所の仕事をそのままの形で見られること、今までは、本のレベルでしか見られなかったことが、実際に見られることだ。 イラスト
 この二週間の中で一番心に残った事件は妻が夫を殺してしまったという事件の公判の傍聴と建物収去・土地明け渡し事件の強制執行の立ち会いである。
 本の中では典型的で、おもしろくもなんともない話かもしれないが、実際に見てみると、人間対人間のどろどろしたものを感じてしまった。人間関係に常日頃から戸惑いを感じる僕にとって、弁護修習は、本当に自分が弁護士に向いているのかを考えさせてくれる場になりそうだ。
(指導担当・ 仁平 信哉会員) 

よりよい新聞をめざして 広報委員会が合宿
 六月一一日〜一二日、逗子の松汀園において、広報委員会の合宿が行なわれた。
 広報委員会は五班にわかれて、毎月各班が弁護士会新聞の編集を分担する体制をとっている。そのため編集会議において他班の委員と顔を合わすことはなく、統一的な紙面作りのための議論をすることができない。そこで過去一年間の新聞の紙面講評を行なうと共に、今後の編集方針について話し合うことを目的として、年一回の合宿を行なっている。
 第一日目は、(株)神奈川機関紙印刷所の渡辺さんを迎えて、過去一年間の新聞について講評をしていただいた。また記事の書き方、見出しのつけ方、写真のとり方、カットの挿入方法、記事のレイアウトの方法など数多くの技術的な問題について指摘があった。
 二日目は、岡本会長、佐藤副会長を交えて、今後の編集方法について議論が行なわれた。
 特に、今年は原稿依頼に行き違いが生じたり、六月号の一面の記事について、執筆者の記載に誤りがあったことから、記事の執筆依頼を確実にし、執筆者の記載に間違いが生じないようにする工夫について、話し合いがなされた。
 またなるべく「顔の見える新聞」を提供したいという木村広報委員長の提案により、記事の執筆者が誰か判るように、署名記事を増やす方向で、意見がまとまった。
 今月号からは紙面担当の広報委員を新聞末尾に記載するので、ご意見・ご感想等を広報委員宛にお寄せいただければ幸いである。
(岩田 恭子) 

八月号担当者
 デスク 沢藤達夫、一面 二川裕之、二面 小川佳子、三面 渡辺穣、四面 佐賀悦子

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