横浜弁護士会新聞

back

1999年11月号(4)

 
私のホビー -13-
フライフィッシング 趣味は一人で楽しむもの?
会員 久保田 晃 
 「夫婦で……」というタイトルを趣味の雑誌で見かけることがある。私と榮子の場合は、「夫婦でフライフィッシング」ということになるのだろうか。
 「夫婦で」という話を聞くとうらやましがる人がいる。しかし、趣味は一人で楽しむものである。
 今夏、北海道へ「阿寒湖のアメマス、阿寒川のニジマス釣」と「忠類川のオショロコマとサーモン釣」に出かけた。「夫婦で」となると行先選びから大変である。榮子でも釣れそうで、しかも景色のよいところでないと後で不満が残る。
 そして、道具の準備は二人分である。特に大変なのが「フライ(疑似餌)」の準備である。勿論、今までのストックはある。目的の川の情報を集め、時期にあわせたフライを自分で創っていく。榮子は創らない。その結果は明らかである。私のフライボックスに新しいフライが収まると、忠類川のオショロコマやサーモンがくわえる前に、「これは釣れそうだ」の一言と共に、まず、榮子がくわえて持って行ってしまう。とにかく、準備は二人分である。
 さて、忠類川ではサーモンの前に、オショロコマを、ということで、忠類川の上流へ向かった。ここは、ヒグマの生息域である。釣らせるために先に遡行させる。幸い、ペンションの人から「それだけ鈴をつけていれば」と言われるほど鈴をつけているので何の恐れもなく先に行く。いわば、露払いである。後は、抜け落ちたポイントを拾いながら、オショロコマを釣り上げて榮子を呼び戻すだけである。いくつかの抜け落ちたポイントで野生のきれいなオショロコマを釣り、榮子を呼び戻す。ポイントを数えると、何匹か同じようなオショロコマを釣り上げる。これで、残りの時間をゆっくりサーモン釣りに集中できる。サーモン釣りの結果は写真のとおりである。
 趣味はやはり一人で楽しむものである。一人で楽しんでこそ、「静かなることを学ぶ」ことができるのである。

私の修習日記 第53期修習生
実り多き弁護修習
四班 鹿野 真実
(指導担当  湯沢 誠会員) 
 思えば、恥のかきどおしであった。もっとも、衆人環視のなか、裁判所入り口の階段ですっ転んだ以外は、その時に「恥ずかしい」と思ったことは、あまりない。
 後から振りかえってみて、「あんなことも知らなかったというのは、法律を勉強してきた者として、もしかして恥ずかしいことだったのでは…」と、ふと思うのである。
 しかし、それでいいと思っている。受験勉強で法律を学んできたからといって、日常の紛争を解決できるわけではない、と実感することにも実務修習の意義があるのだろうから。
 来年の一〇月には何かしらの法律実務家になっているわけで、依頼人や関係者から見れば、新米であろうと、専門家なのである。「いやあ、まだ一年目なもので…」とへらへらしているわけにはいかない。
 「知らない」ことが常態である修習生という地位を、思いっきり利用して、恥をかきつつ、学び、成長しつづけたい。

幅広い弁護活動に接し
四班 井上 雅彦
(指導担当  間部 俊明会員) 
 弁護修習も残すところあと一週間余りとなりました。任意整理・医療過誤・遺産分割・借地紛争・相隣関係等様々な事件に接し、依頼者からの事情聴取、裁判所での手続きの傍聴、証拠収集の同行などの体験をさせて頂きました。
 ただ、三ヵ月という短い期間なので、一つの事件の最初から最後まで関与できる機会が少なかったのが残念です。
 また、今年初めての試みである知的障害者施設での社会修習は、私にとっては関心を持つ一つの契機になりました。支部修習(横須賀)も印象に残っています。将来横須賀で活動したいと思うほど良い雰囲気でした。
 そして、指導担当の先生をはじめ他の弁護士の諸先生方には手厚くもてなして頂き、殿様のような気分すら味わせていただきました(スミマセン)。
 弁護士の活動は幅広く、短い弁護修習ではそのほんの一端に接しただけにすぎません。ただその中で、自分が将来弁護士としてどのように活動していくかというスタンス(これは実際に弁護士として活動する中で一生かけて追求していくものではありますが)が重要であるということを実感できたように思います。

第53期司法修習生送る
萬珍楼で恒例の送別会
 一〇月五日に第五三期司法修習生三五名の送別会が行われました。今期から一年半修習ということで、弁護修習も三ヵ月に短縮され、七月五日に始まった弁護修習はあっという間に終わってしまったという印象でした。
 ランドマークタワーでのゴージャスなウェルカムパーティーに始まり、ある意味で過酷な施設一泊介護実習の体験など、落差の大きい弁護修習生活によって、どの修習生も短期間で一気に逞しくなった模様です。
 当日午後三時から四班に分かれて座談会を持ち、午後五時半から恒例の萬珍楼での送別会が開かれ、おいしい中華料理に舌鼓を打ちながら、これまた恒例の各修習生と指導弁護士のペアーによるスピーチ大会で盛り上がりました。今期の修習生は、例外なく謙虚で節度をわきまえていたため、舌禍事件などもなく、互いに長所をほめ合うという美しい師弟愛披瀝の場となりました。送別会終了後は、三々五々夜の巷に散って別れを惜しんだようです。
 今期は三ヵ月を通して、これといったトラブルもなく、一年おきに何かが起こるという修習委員会の不安はめでたく杞憂となりました。
 来年度からは、四八名の修習生が四班に分かれて通年の弁護修習となり、会員の負担も増えることと思われますが、よろしくご協力をお願いします。
(司法修習委員会副委員長  遠矢 登) 

弁護士費用を負担できない方に弁護士費用の立て替えをします
お申し込みは…
財団法人法律扶助協会神奈川県支部
  〒231−0021 神奈川県横浜市中区日本大通9番地
横浜弁護士会館内
本 部 (TEL)045−211−7702
  受付/10:00am〜4:00pm(月〜金)昼12:00〜1:00は除く
横須賀 (TEL)0468−22−9688
  受付/10:00am〜3:00pm(月〜金)昼12:00〜1:00は除く
川 崎 (TEL)044−244−5039
  受付/10:00am〜4:00pm(月〜金)昼12:00〜1:00は除く
財団法人法律扶助協会神奈川県支部
なお、財団法人法律扶助協会では法律事務所に委託して無料法律相談も行っています。詳しくは本部までお問い合わせ下さい。

編集後記
 「司法改革」。この号は弁護士に関連する各制度の変革の記事が目立ちます。広報委員会も、委員長以下一丸となって紙面刷新に取り組んでいます。全会員が興味を持って一気に読みきれる紙面、その理想に一歩でも近付きたいと各委員願っています。
デスク 田中 隆三   一面 中村 俊規   二面 高橋 富雄
三面 芳野 直子   四面 狩倉 博之      

▲ページTOPへ
戻る
内容一覧へ