2005年9月号(1) |
7月6日、ロイヤルホール横浜において、紛争解決センター開設10周年記念式典が開催され、当会だけでなく、他会、県内の地方自治体及び土地家屋調査士会からも多数が参加した。 |
まず、小原正敏大阪弁護士会民事紛争処理センター運営委員会委員長による、記念講演が行われた。 同講演は、ADR(裁判外紛争解決手続)に対する大阪弁護士会のこれまでの取り組みの紹介にとどまらず、ADRの意義等に関する理論的な諸問題の解説、弁護士会ADRの活性化のための諸方策の検討にまでわたりながら、簡にして要を得たもので、当センターの今後の運営にとって貴重な示唆を含むものであった。 殊に、大阪弁護士会民事紛争処理センターで実践され、申立て件数の大幅増加に寄与した「申立受付制度」の紹介、隣接専門家との連携強化を図るべきことや弁護士が和解あっせんの技法の開発に自覚的になるべきことなどは、今後、当センターにおいて課題となろう。 |
休憩後に行われた、当会会員出演による和解あっせん劇「右膝を砕かれて…」は、会社の同僚が運転する自動車に轢かれて、右足に後遺障害を負ってしまった被害者が、会社に対し損害賠償を求めて、当会紛争解決センターに和解あっせんを申し立て、ついに和解(和解的仲裁判断)に至るまでを描いたものであった。 出演した当会会員の熱演ぶりは参加者に大変好評で、終演後、自治体職員からは、「弁護士とは思えない演技に感心した。」などの感想が聞かれるなど、当センターの存在と和解あっせん手続の有効性・公益性を参加者に十分印象付けることができたものと思われる。 引き続き、懇親会が催され、来賓の石橋英之福岡弁護士会紛争解決センター運営委員会副委員長から祝辞を賜り、関延之神奈川県土地家屋調査士会会長の乾杯の発声を経て、懇親会は、和やかな雰囲気の中、参加者の懇談に移った。 |
当センターは、今年で10周年の節目の年を迎えた。今後は広報活動による市民の認知度の向上や会員向けの情報提供の充実により、申立て件数の増加を図り、弁護士会ADRの普及・発展を通じて、より一層、市民に開かれた法的サービスの提供が期待される。 |
(紛争解決センター運営委員会委員 井上 潮) |
「労働審判制度」って?皆さん聞き慣れない制度だと思いますが、これは来年4月から運用が開始される、個別労使紛争の早期解決を目的とした新しい裁判制度です。 | |
従来から存在した、ADR、民事調停、裁判等では、事実認定能力に問題があったり、紛争解決まで時間や費用がかかるなど、個別労使紛争の解決手段としては、十分機能していないとの批判がありました。そこで登場したのが「労働審判制度」です。 | |
この制度は、裁判官と民間人による労働審判員2名(使用者側、労働者側1名ずつ)により構成された労働審判委員会が、事実認定、調停、審判等を行い、原則、3回以内の期日で何らかの結論を出す仕組みです。 | |
専門裁判官以外に、労働問題に詳しい民間人の審判員が審理に関与すること、また、3回以内の期日で事実認定や結論を出すという点で、非常に画期的な制度ではありますが、一方で、従来にはない制度であるため、新制度の運用には周到な準備が必要となります。 | |
そこで、東京とともに全国に先駆け、当会より、使用者側、労働者側それぞれの立場から労働事件に詳しい会員8名が参加し、担当副会長同席の上、横浜地方裁判所との間で、本制度の運用に関する協議会が実施されています。現在まで、計3回の協議会が行われ、申立書の形式、証拠、添付資料の内容、第1回期日の指定方法等、本制度運用の中身に踏み込んだ議論が活発に行われています。 | |
本制度自体も画期的ですが、使用者側、労働者側の弁護士と裁判所が一堂に会し議論を行うことも、これまた非常に意義のあることです。 | |
本制度の運用開始に伴い、労働者側のみならず、使用者側にも、弁護士相談、代理人選任依頼が相当数出る事が予想されます。今後は、その受け皿を当会がどう整備すべきか等が議論されることになりますので、今後とも、会員の皆様のご協力をお願い申し上げます | |
(民事裁判手続運用委員会特別委嘱委員 内嶋 順一) |
皆さんもご存知のとおり、近時横浜市のごみの分別方法が変わった。私は横浜市に住むようになって丁度10年になるが、これまで横浜市はあまりにもごみの分別がされていなかったので、こんなに大きな都市なのになぜだろう、と時々思っていた | |
自治体によって分別の方法はだいぶ違うようであるが、確かに私の知っている別の町は、びんも色によって分別があるなど横浜市よりさらに細かく分けられている。今では毎日集積場に山のように家庭ごみを見かけるが、ペットボトルはおろかプラスチック容器すらなかった昔々はどれだけごみが少なかっただろうと思うと、リサイクルが進むのは単純によいことだと思う | |
ところで弁護士業務をしていて最も気になるごみは、なんと言っても紙ではないだろうか。毎日大量に届くFAX、打ち損じた書面などなど。しかし最近は、依頼者に書面を送るときも、メールに添付してもらったほうがいいと言われることも多くなった。弁護士会からのお知らせも、いつかFAXではなく原則的にメールになるかもしれない | |
そうすると、次に考えるのは誤送信の防止など安全対策になりそうだ。しかし読み終わったあとの大量の紙ごみの減量につながるなら、そろそろ弁護士も積極的に考えるべきではないだろうか。 | |
(北島 美樹) |
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