横浜弁護士会新聞

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2004年6月号(3)

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理事者の独り言
副会長  飯田 直久
 昨年、依頼者との打ち合わせのために台湾に行った。台湾といえば、世界的規模のパソコン展示会が開催されるなど、知る人ぞ知る電脳王国であるが、現地の弁護士から、台湾のいろいろな話を聞く機会があった。台湾では、IT化がかなり進んでおり、裁判所との書面のやりとりは既にメールで行っているとのことだった。
 また、日弁連では、正副会長に各1台ずつパソコンが割り当てられ、理事者に就任すると、まずその使い方の講習を受けなければならないそうだ。当然、専用のメールアドレスも一つずつ割り当てられ、内外の連絡用に使用されている。
 さて、当会の理事者室はというと、パソコンは持ち込み、プリンタも備えられておらず、事務局側とのパソコンには、接続する端子が直ぐ足下まで来ているのに、セキュリティの関係からつなげてはダメ、といった状態である。
 日々の山のような決裁文書は紙ベース、事務局との連絡は付箋のメモ、といったアナログ状態で、次長や担当の職員と連絡が取れず、姿を探して右往左往といった有様である。なんとかしたいとは思うものの、うっかり手をつけると、自分の事務所以外に大きなメンテナンス先がまた一つ増えそうで躊躇している。
 そんな中、当会でも情報問題がクローズアップされてきている。当会では、会員情報は勿論、相談者の情報や、刑事民事を問わず事件の内容に至るまで、管理しなければならない情報が溢れている。個人情報保護法が施行され、個人情報取扱事業者の義務が定められている第4章や、第6章の罰則規定については、平成17年4月1日から施行される。これは、弁護士会のみならず、各会員が管理する顧客情報などにも関係してくる重要課題である。足下のIT化も当面の課題だが、これからは情報管理もしっかりと考えて計画しないと、逆に足下をすくわれかねないようだ。

私のホビー 30
中村 裕一 会員
プロに負けないアマを目指して
 小学校高学年の頃、絵を描くのが好きになった。今でもその頃描いた絵の構図や色彩が記憶に残っている。
 中学生の時、版画部に入った。一年生の時の初めての作品が日本版画展に入選した。最年少だった。後年大学生になり、偶々国立近代美術館に行った時、常設展の中に中学校の先生の版画作品があるのを見て驚いた。
 高校三年の時、担任で美術の先生だったG先生に、芸大へ行きたいと相談した。「君は弁護士志望だったね。司法試験も難しいが、絵を仕事に生きるのはもっと大変だ。絵は趣味でやれば本当に楽しいし、一生描けるよ。」と諭された。
 大学生になっても絵への憧憬止み難く、YMCA絵画部で石膏デッサン、人物デッサンを学んだ。司法試験受験中も商業デザインの通信教育を受けたりした。
 司法研修所の実務修習で横浜に配属された時、裁判所職員の絵画クラブに入れてもらい、油絵を描いたり合宿旅行に行ったりした。今でも絵を描いているその頃の仲間とは交流が続いている。
 12年前に日下部長作先生から、弁護士会に美術同好会を創るから仲間に入れと誘われた。喜んで参加させてもらい、毎年キャンバス・アバウト展に出品している。この機会に油絵を基礎から学び直したいと考えた。弁護士になってから20年以上絵を描くのを忘れていた。毎週一回絵画教室に通うことになった。
 昨年還暦を迎え、勇気を奮って個展をした。実は再び絵筆を採った時から秘かに心に決めていたのだ。現在も絵画教室に通っている。あちこちの公募展で大活躍の皆さんの一〇〇号の大キャンバスと肩を並べて絵を描くことが本当に楽しい。
 私にとって絵を描くことは、もはや単なる趣味ではなく、人生の何分の一かを占めていると感じつつある。私を上手に導いて下さった亡きG先生に、今、心から感謝している。

常議員会レポート 第3回(平成16年5月12日)
〈第1号議案〉
 今年度の弁護士フェスタ実行委員会委員等の委員選任と民事調停委員、日弁連交通事故センター神奈川県支部役員等各種委員の推薦について、前回承認されたとおり全部一括して審議し、人事委員会の承認を経た提案どおりすべて承認した。
〈第2号議案〉
 調査室の嘱託(今年度から4名に増員)に対する報酬額について、従前と同額とすることを決定した。
〈第3号議案〉
 前回小委員会に検討を依頼した旧弁護士法5条3号による入会申込者について、小委員会の報告を得て審議し、入会を認めることとした。
 小委員会委員長から、最近の判例の見解も踏まえて検討した結果、入会を拒否する理由はなく申込みを承認するのが相当とするとの報告があり、これに対して、特に大学要件の充足等についての意見が出されたが、さらにこの点についての資料を付加することとして、入会を承認した。
〈第4号議案〉
 会員からのサービサー法による取締役推薦の申し出について、当会においては推薦基準についての規則等が制定されていないが、今後制定すべく準備中であるとの説明があり、本申請については、日弁連のサービサー法の運用に関する推薦基準にも合致していることから、推薦を承認した。
〈第5〜8号議案〉
 前回と引き続き、5月26日に開催される通常総会に提案する議題について審議し、いずれも議題とすることを承認した。
(1) あっせん・仲裁センター会規の一部改正
 平成16年3月1日施行の仲裁法改正による会規改正とともに、より活用されやすい名称として「紛争解決センター」と改めるもの。
(2) あっせん・仲裁手数料会規の廃止
 現行の会規では柔軟な対応が困難な場合もあるので、会規を廃止したうえ、規則を制定する。
(3) 業務妨害対策支援会規の一部改正
 報酬規程の廃止により、用語を調整するもの。
(4) 共済規則(会規)の一部改正
 支部が会規上位置づけられたことに基づき、前年度会長及び副会長と同様に支部長に対して感謝状を贈ることとするもの。
 但し、今回の通常総会での会規改正であるため、今年度の支部長から対象となる。
〈報告事項〉
 昨年の臨時総会で制定された法科大学院教員に対する調査費の支給等に関する暫定措置会規に基づく調査の委嘱について、4月16日付にて辞職願いを受け、委嘱を解除した旨報告があった。
 これに対し、委嘱解除すべきであったかの事実関係が不明確であるので、実情を調査して報告してほしいとの意見があった。また、各法科大学院と弁護士教員との契約関係が不透明であり、会としてバックアップするなら、その点も明確にすべきであるとの意見も出された。
 通常総会提案議題として前回承認された日弁連副会長の活動費支給等に関する暫定措置会規について、日弁連調査室の意見により、字句を修正したうえ提案したいとの報告があった。
常議員からズバリひとこと
 常議員初体験だが、これまで三回出席してみて意外だったのは、会議で実に活発な議論が展開されていることである。とくに理事者経験者の発言には自分には全く思い至らなかった内容のものが多く、感心させられることしきりである。ただ人事案件については、事前に執行部案が配布されているのであるから、とくに必要な場合は別として要旨説明も省略した方が多少でも時間を短縮できるのではないかと思うがいかが。
37期 小嶋 干城

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