横浜地裁 淺生重機所長 |
ゴルフが趣味の気さくなお人柄 |
ご出身やご経歴などについてお聞かせください |
大学は東京大学、修習は18期です。出身は三重県ですが、横浜市に20年以上居住しております。家族は妻と子供3人です。昭和41年に任官後、最高裁民事局・最高裁調査官以外は、一貫して民事裁判の1,2審を担当してきました。 |
横浜地裁の勤務は初めてということですが、印象はいかがですか |
規模・仕事量が大きいことにびっくりし、「大変な所に来たな」という印象です。また、特にエントランスの吹き抜け部分など、裁判所の建物は全国でも有数の立派さで、自分の子供に見せて自慢したいくらいです(笑)。 |
横浜の町並みについても、改めて観光名所の多さと立派な大都市であることを再発見しました。 |
どのようなご趣味をお持ちですか |
ゴルフです。本格的に始めたのは約5年前で、健康維持のために週1回程度やっています。私のハンディは内緒ですが、ゴルフのハンディはプレーヤーに希望を与える本当によい制度ですね(笑)。 |
これまで印象に残ったお仕事は |
約20年前の簡裁民事調停の急増によるサラ金被害者の救済問題と約10年前のバブル崩壊による不良債権問題とりわけ執行妨害対策に力を注いだことです。具体的な裁判事件では、柳美里氏の小説の出版差止めの事件が1番印象に残っていますね。 |
私は、これまで1人の裁判官として、1件1件の事件を大事にして、その解決を通じて、人々の心の平和を回復するようお手伝いをすることに心がけてきました。 |
今後の抱負をお聞かせください |
やはり目下の懸案事項は司法改革ですが、その中でもとりわけ裁判員制度を円滑に実現することに努力しています。裁判員制度というのは、かつて経験したことのないほどの大事業であり、法曹三者が生まれ変わるくらいの気持ちがなければ成功しないと思っています。裁判所だけではできないこともあるので、弁護士・弁護士会との役割分担が重要です。 |
(聞き手 飯田直久副会長、二川裕之) |
横浜家裁 安倍嘉人所長 |
家裁から情報発信を |
ご出身やご経歴などについてお聞かせください |
東京出身で昭和44年に東京大学を卒業、23期大阪修習です。初任は東京地裁で、その後、最高裁家庭局、家裁調査官研修所教官等、家裁関係が主になっています。趣味は弓道、散策、デジカメで花や風景を撮ることです。 |
裁判官という職業の魅力はどこにありますか |
最終判断を示すことの責任感に加え、当事者等の背中を押して紛争の解決を手伝うことにやりがいを感じるようになりました。 |
最高裁家庭局でのお仕事は |
事件処理の仕組の検討、家裁月報の刊行、法律案の検討への関与等です。局長時代には、成年後見制度、少年法や人事訴訟法の改正を手がけました。 |
印象に残る事件はありますか |
女子高生の父親殺害事件では、母親が娘の悩みに気付いていませんでした。親の役割の大きさを実感したことが、その後の私の考え方、事件の処理方針に影響しました。親子の心理的コミュニケーションが取れていれば、子はまっすぐに育つのです。前任の千葉家裁では、昨年に続き今年も、親子関係について一般向けのシンポジウムを開催する予定です。 |
横浜の印象はどうですか |
青い空、青い海が印象的です。国際色豊かですね。開国の歴史もたどってみたいです。 |
横浜家裁所長のお仕事は |
関係機関との意見交換も重要な任務です。裁判所と弁護士他の有識者から成る家裁委員会では、「少年非行と家裁の役割(6月)」、「子の監護(11月)」等を議論しています。 |
改正後の人事訴訟についてお聞かせ下さい |
4月施行後ようやく証拠調べが始まったので、評価はまだ早いと思います。調停での話し合いによる解決も大切にし、安易に不調にして訴訟に移行させることがないようにしてほしいです。 |
今後の取り組みについてはお考えはありますか |
当事者のための裁判所を目指すと共に、家裁の役割や手続を知ってもらうための情報発信をしたいです。弁護士には多くの家事事件を受任し、家裁に対する当事者の認識を裁判所に伝えて頂きたいです。 |
(聞き手 飯田直久副会長、市川統子) |