横浜弁護士会新聞

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2004年11月号(3)

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理事者の独り言
理事者になるのもいいもんだ
副会長 飯田 直久
 理事者になって折り返し地点を過ぎた頃である。丁度、この頃から時期理事者の候補者選びである「梅香亭」会議が始まる。最近は、業務が多忙なことから、なかなか理事者になろうと積極的に名乗りを上げる会員が少ないようだ。
 実際、今手元の電子手帳を見ると、半年先のスケジュールは一杯、でもその殆どは会務、事件の予定は皆無(少しオーバー)という状態である。当会の場合、理事者になったからといって何の利権もないし、経済的なメリットもない。しかしながら、毎週理事者会で共通の課題について夜遅くまで話し合い、その後は、飲みながら好き勝手なことを言い合っているのも楽しいし、利害関係のない仲間が出来ることはかけがえのない財産である。また、自治体の首長や国会議員、神奈川県の財界のトップなど、理事者にならなければまず会うこともない人達と会えることも面白い。会を担っているという責任感や充実感もある。
 今年は、神奈川県の自治体の全てを回っている。同じ県といっても、市町村毎に人口や予算規模が異なるだけでなく、産業や文化もそれぞれの特徴があり大変興味深かった。首長も、それぞれの自治体の特徴に合った個性のある方が多かった。
 この記事を書いているのは、宮崎の人権大会と、水原への訪韓との合間である。
 宮崎では丁度解禁になった伊勢エビを堪能した。水原は、世界遺産に指定されている水原華城が有り、現在のカルビの発祥の地とも言われている。会務とはいえ、行く先々で舌鼓を打つのもまた楽しみの一つである。
 弁護士という職業は、サラリーマンと違って、配置転換も、転勤も、出世もない職業である。事件処理に追われる毎日だけでなく、長い弁護士人生の中で、会務に追われる時期があってもいいのではないだろうか。1年という限られた期間ではあるが、貴重な経験になると思う。

小林嗣政元理事長を表彰 関弁連定期大会
 関東弁護士会連合会の定期大会が9月25日に栃木県鬼怒川温泉のあさやホテルで開催された。
 今年は昭和29年7月に関弁連が結成されて50周年目の記念すべき節目の年にあたり、記念式典では東京高裁長官、東京高検検事長、日弁連会長も出席し、厳かな中にも盛大な大会となった。式典の中では歴代関弁連理事長に対する感謝式が行われ、平成12年度理事長を務めた当会の小林嗣政会員にも感謝状と記念品が贈呈された。
 当日の午前中は「里山保全の新たなる地平をめざして」というテーマで大会行事のシンポジウムが開かれ、前日にはシンポジウムテーマに合せて宇都宮市長岡樹林地で里山トレッキングが行われた。大会ではこれを受けて「循環性の象徴として里山を保全していくための宣言」が採択された。
 関弁連の会員は東京三会9773名、関東十県会2283名の合計12056名であり(8月1日現在)、関弁連は毎年定期大会・シンポジウムを開催してきた。従前はその運営を関東十県会が持ち回りで担ってきたが、東京三会と関東十県会の有機的連携により関弁連の求心力が増すことを期して、今後は東京三会も大会運営に当たることとされており、平成18年度は東京弁護士会が担当することになっている。
 なお、来年は「食の安全を考える」をテーマに、静岡県弁護士会の担当で定期大会・シンポジウムが開催される予定である。

常議員会レポート 第8回(平成16年10月13日)
 弁護士職務基本規程や会長声明等のほか、今回も綱紀委員会に調査を求める件があり、多くの重要案件が審議された。
〈第1号議案〉
 日本司法支援センター地方準備委員会委員として、現会長の高橋理一郎会員と山下光元会長を推薦したほか、当会委員会委員及び行政関係委員の推薦など提案どおり承認した。
〈第2号議案〉
 横浜弁護士会日本司法支援センター対策特別委員会設置規則を制定した。
〈第3号議案〉
 横浜弁護士会が他の団体と活動を連携することに関する基準を常議員会決議として定めた(前々回からの継続案件)。
 これまで、当会が主催する行事・活動について後援等を受ける場合、他の団体の行事等について後援する場合とも何らの基準がなく、判断がまちまちとなっていたため、基準を定めた。
〈第4号議案〉
 前号による基準に基づき、成年後見制度の市町村長申立の活性化のための自治体及び社会福祉協議会の職員の講習会を、県市及び社会福祉協議会等と共催することを承認した。

〈第5号議案〉

 11月25日に設立総会予定の日本弁護士政治連盟神奈川支部の住所として、当会の住所の使用を認めたいとの提案に対し、弁政連支部の活動についての事務負担等につき、設立後には明確なルールを作ることを求めたうえ、「横浜弁護士会館内」を同支部の住所とすることを承認した。
〈第6号議案〉
 今月8日の日弁連人権擁護大会における死刑執行停止法の制定等に関する決議を踏まえ、死刑制度の存廃について国民的議論を尽くす間、死刑の執行を差し控えることと、死刑確定者の処遇改善に努めることを求める会長声明を、賛成多数により承認した。
〈第7号議案〉
 最高裁判所裁判官候補者の推薦手続について、できる限りわかりやすく公平な手続により関弁連管内で優れた候補者を推薦すべきとの十県会意見表明を異議なく承認した。
〈第8号議案〉
 11月10日開催予定の日弁連臨時総会の議題中、弁護士職務基本規程について引き続き審議し、同議案についての当会の議決を賛成票とすることを承認した。そのほか、弁護士過疎・遍在対策のための特別会費徴収に関する決議の改正議題についても賛成票とされた。
〈第9号議案〉
 会館の屋上防水・塗装等工事の発注を承認した。
〈第10号議案〉
 非弁・民暴委員会の調査により、多重債務処理事件について弁護士が行なうべき法律事務を職員に専ら行なわせ、消費者金融業者から多重債務処理事件の紹介を受けており、弁護士法27条に違反する疑いがあるとの報告を受けた会員について、綱紀委員会の調査を求めることを議決した。
〈緊急議案〉
 千葉県弁護士会所属弁護士に対する暴力事件に関連して、業務妨害行為にする会長声明を出すことを承認した。
〈報告事項〉
 9月29日に開催された会員集会の報告、前回の常議員会で承認された国旗・国歌に関する調査回答に関する人権救済申立事件の勧告に対する市民からの反響の件等について報告がなされた
常議員からズバリひとこと
 私の期は人数が少ないので、常議員はおよそ10年ぶり、二巡目である。前回に比べ、毎回の議題が盛りだくさんであること、それにもかかわらず極めて迅速に処理がなされていることに驚いている。しかしながら本日の出席は十数名。月に一度、横浜弁護士会の意思を決定する重要な場であるのに少し寂しい。常議員の皆さん、常議員会の日程を最優先にしようではありませんか!以上は出席成績のよくない自分自身を棚に上げての感想である。
(43期 小川 佳子)

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