2003年10月号(4) |
第54期 関本 和臣 |
淡々とやることの大切さ |
弁護士になって間もなく、こんな国選事件がありました。二〇歳のA女の強盗事件でしたが、A女の追起訴には些か驚きました。逮捕前の余罪が判明し、追起訴されることはよくありますが、A女の場合、逮捕前ではなく、勾留中に犯した公務執行妨害で再逮捕されること三回、挙げ句の果てには同房者をボコボコに殴って傷害で再逮捕され、追起訴されるという「つわ者」だったのです(おいおい)。 |
弁護人としては、A女が何年おつとめしてしまうのか不安でしたが、少しでも有利な情状をかき集めて裁判所に提出できたこと、A女の義理の兄が情状証人として出廷してくれたこと、示談が成立し被害者の宥恕が得られたこと等から、重い求刑の割りには寛大な判決をいただきました。 |
この事件の教訓は、次から次へと事件(問題)が起こっても、自分のやるべき仕事をを淡々とこなすしかなく、また、そうすることによってのみ満足のいく結果が出るということです。日々淡々と仕事をこなすことの大切さを実感した事件でした。弁護士は、様々な事件に直面し、解決していきます。それが弁護士稼業の醍醐味、面白さであります。この醍醐味、面白さを味わうため、目の前の仕事を日々淡々とこなしていきたいと思います。 |
今年も、広報委員会の合宿が七月四日、五日の二日間、三浦海岸「マホロバマインズ」にて、行われた。 |
第一日目は外部講師として読売新聞横浜支局次席の大野茂利氏を招き、よりよい紙面作りの方策について教えて戴いた。現役で活躍される記者の方から、日々実践されている話を伺える機会は滅多にないことで、出席した広報委員全員が大きな刺激を受けるとともに、今後さらによりよい紙面を作ろうと決意を新たにしたと思われる。 |
第二日目は、出席した広報委員全員によりこれまでの横浜弁護士会新聞に対する反省と今後の課題についての活発な議論が繰り広げられた。 |
前日の外部講師の説明も参考に、紙面の字数の再検討など基本的なところから、内容面に至るまで、様々な意見が出され、活発な議論の場となった。 |
また、来年は創刊二〇〇号を迎えるということもあり、その特集をどう組んでいくかということについても様々な意見が出された。これについては、プロジェクトチームを作って今後も継続的に協議していくこととなった。 |
さらに既に配信されているメールマガジンについても、活発な議論がなされた。 |
メールマガジンについては、昨年の広報委員会の合宿で、話が出、その後プロジェクトチームを作り、約一年の期間をかけて、ようやく実現の運びとなったものである。 |
メールマガジンは、多様化する情報をいかに早く伝えるかということから企画されたものである。 |
当初は、試行錯誤を繰り返すこととなると思うが、なるべく全会員に広く見てもらえるものにしようということで意見が一致した。 |
メールマガジンについては、受信希望の会員がまだ少ないので、出席会員で手分けをしてその呼び掛けをすることとなった。まだ登録戴いていない会員におかれては、この機に是非お願いしたい。 |
今後は、横浜弁護士会新聞と横浜弁護士会メールマガジンと二本建てで取り組んで行くこととなるが、どちらもよりよいものになるよう努力を重ねようということで、まとまった。 |
えっ二回もお金を取られるの? |
第57期司法修習生 近藤 和久 |
五七期のトップバッターとして、修習日記を書かせていただきます。七月より、木村保夫先生の下、四人の先生と三人の事務員さんから、桜木町法律事務所でご指導を頂いています。 |
刑事事件は弁護修習では一〜二件しか経験出来ないのではないかとの心配は全く杞憂に終わり、毎日、刑事事件に触れる機会を頂いています。ほぼ確実に執行猶予の事案でも、被告人が手錠に腰縄状態で入廷し、涙にふるえた被告人質問を間近の弁護人席から傍聴すると、暑い日差しの下、電車を乗り継いで接見に飛び回られる先生の熱意が、「なるほど」と納得されます。刑弁センター正副委員長会議では、各先生が持参したホカ弁をかき込みながら熱い議論をする姿が、忙しい先生方の生活を物語っていました。 |
民事事件の起案では、「電子内容証明」という便利な制度の存在をうかがい、木村先生からは「こういう便利な制度を、自分で使えるようにならないと」というありがたいお言葉を頂戴しましたが、自分のPCを事務所に持ち込んで、プリンターやネットへの接続で事務の尾井さんの仕事を三日にわたって妨害したことは、言い出せませんでした。 |
ちょっと変わった経験としては、法律扶助協会の審査を傍聴しました。弁護士二名で弁護報酬の審査などを行うのですが、当事者の方に説明される時に、着手金と報酬という概念が理解されにくかったように思われます。当事者の方からすれば、事前に説明を受けていても「えっ、二回もお金を取られるの? もう、払ったじゃないか」という印象を受けられるようです。弁護士会の報酬規定が無くなれば、ますます、当事者の理解を得ることが困難になるのかなと思われました。 |
(指導担当 木村保夫会員) |
いろいろな相談にお応えします。 | ||||||||||||
横浜弁護士会総合法律相談センター | ||||||||||||
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お悔やみ申し上げます 湯本 正道 会員 平成一五年八月四日 逝去 享年五九歳 昭和一九年三月七日 生 平成二年六月二五日当会入会 陶山 圭之輔 会員 平成一五年八月二六日 逝去 享年 六八歳 昭和一〇年一月二日生 昭和三八年六月二八日当会入会 |
編集後記 | ||||||||||||||||
小川直人さんが当会初の弁護士任官者となったのは二年前。今年は二名が裁判官になる。これからは任官しただけで珍しがられる時代は終わり、どれだけ特徴ある仕事をするか、弁護士が裁判官になるということの意義が問われていくのでしょう。渡辺さん、阿部さん、弁護士だったときに受けた思いは裁判官になっても忘れないで下さいね。 | ||||||||||||||||
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