2002年7月号(4) |
連勝への大きな一歩を踏み出した横浜法曹テニスクラブ −現体制への批判も一段落− |
五月二五日、快晴に恵まれた荏原湘南スポーツセンターにおいて恒例の横浜法曹テニスクラブと裁判所選抜チームの対抗戦が行われた。 |
昨年裁判所チームが大勝を納めたこの試合は不敗神話ならぬ不「勝」神話を築きつつある当クラブの現体制ないし今後のクラブ自体のあり方にとって重要な意味を持つ試合となった。 |
当クラブは一〇期代から五〇期代まで幅広い年齢層の精鋭二三人により構成され、裁判所チームは主に横浜地裁所属の裁判官、書記官らで構成されていたが、遠く松山から参加した裁判官もおり、いずれも多様なメンバーを揃えたチーム編成となった。 |
当クラブ会長である宮代会員の開会の挨拶に続いて挨拶に立った裁判所チームの志田第三刑事部部長は、裁判所チームを評して、この対抗戦があくまで親善目的であることから「飛車角金銀」を落とした構成であると述べるなど昨年の大差での勝利もあってか余裕が見受けられた。 |
試合はすべてダブルスで行われ、実力順に組まれた全二三試合で勝敗を競った。 |
戦前にあちこちで見られた舌戦からして日頃たまったうっ憤(?)をぶつけ合う激しい戦いが予想されたが、試合が始まってみれば互いにより高いレベルを目指して爽やかに、かつ厳しく試合に臨み、各試合とも好試合となった。午後に入ると次第に日差しが強まって熱戦に拍車をかけ、終盤には試合中に足を痙攣させる選手が出るなど試合は一層厳しさを増した。 |
数々の熱戦の結果、全二三試合のうち当クラブが一二勝を獲得し大勝利を納めた。 |
横浜法曹テニスクラブが会外との団体戦で勝利したのは久しぶりということもあり、各会員の笑顔が印象的であった。 |
宮代会員が試合後の懇親会において今回の勝利を「二一世紀最初の勝利」と自賛したのに対し、裁判所チームからは「弁護士会に花を持たせた。」との反論も飛び出し、試合後も両者の舌戦は大きな盛り上がりを見せた。 |
(佐藤 裕会員) |
弁護士の存在 |
第55期司法修習生 野崎 聖子 |
彼女はその日も不安げな面持ちで事務所へ来た。 |
以前交際していた男性から交際期間中に貰ったプレゼントなどの返還を求められ、訴訟を提起された女性である。大雑把に言うと別れた男性に訴訟という形でしつこく付き纏われ、訴状や相手方からの書面等に怯えているのである。 |
「私はどうすればよいのですか。こんなことに先生を巻き込んで申し訳ないのですが、先生しか頼る人がいないんです。」と彼女は言う。私の指導担当弁護士は慎重に言葉を選びながら彼女の不安を和らげ、訴訟の進行状況や手続等を丁寧に説明し、期日前の打ち合わせ等をする。一旦落ち着きを取り戻したかに見えても、再び不安感に苛まれる女性に対して粘り強い対応をする。一期日が終了するごとに迅速・丁寧な報告を欠かさない。 |
この事件は私の最初の準備書面起案となった。私は俄然気合が入り、打合せ時の記憶が新鮮なうちに起案を書き上げたが、いかにも修習生らしい、張り切った準備書面だったことだろう。準備書面の起案を指導担当弁護士へ提出した後、準備書面が実際に相手方弁護士へファックスされるまでの期間は、非常に長く感じられた。 |
弁護士は法的サービス以外のこと細かなケアをしながら証拠を収集し主張を整理するが、弁護修習ではこのようなケアの重要性を感じることが多い。 |
事件の種類にもよるが、依頼者にとって弁護士は事件に関して唯一無二の存在であることが多く、弁護士の対応一つが依頼人に与える影響は大きい。それだけに弁護士の社会的・法的責任は重大なのだろう。 |
私も一〇月からは依頼人にとって唯一無二の存在となる場面が生じるだろう。依頼人の利益を第一に考えながらも第三者的な冷静さを失わずにいたいと思う。修習も残り四カ月をきってしまった。身が引き締まる。 |
(指導担当 小川佳子会員) |
|
|
いろいろな相談にお応えします。 | |||||||||||||||
横浜弁護士会総合法律相談センター | |||||||||||||||
|
|||||||||||||||
|
|||||||||||||||
|
|||||||||||||||
|
お悔やみ申し上げます 桑原正憲 会員 平成一四年六月七日ご逝去 享年八九歳 明治四五年七月四日生 昭和六〇年一〇月二二日当会入会 |
編集後記 | ||||||||||||||||
最近、弁護士に対する市民の苦情が増えているという。もちろん、犯罪的不祥事は論外であるが、例えば、あまりにも細かい要求や無理な要求がなされそれがトラブルの原因になるとすれば、弁護士としても事件や依頼者を見て受任をためらったり費用が割高になるなど、かえって弁護士へのアクセスが阻害されることにならないだろうか。弁護士と依頼者との関係は本当に難しいと思う。 | ||||||||||||||||
|
▲ページTOPへ |
内容一覧へ |