横浜弁護士会新聞

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2003年3月号(3)

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新シリーズ 理事者室の窓
副会長 田中隆三
 ほぼ、一年間、司法改革の奔流に押し流されているような気持で副会長の仕事をしてきました。会長と担当の尾立副会長が一番苦労したと思います。しかし、その他の副会長も、理事者会或いは日弁連・関弁連の大会等で、激しい議論や早い動きに対応すべく、素早く資料を読み、意見を述べる機会を伺い、奔流が氾濫しないように多少は努力はしてきたつもりです。日弁連会長の発言を聞いても、今年こそ、多くの司法改革関連の議案が国会に上程される予定であって、司法改革の正念場であることは間違いありません。そのこともあって、今までの司法改革の議論の経緯は次期理事者にしっかりと引き継がないといけないと思っています(尾立さんお願いします)。次期理事者が、日常業務を処理したうえで、現在の大きい具体的な動きにも対応していくことは大変なことなので、我々はもう少しで退任ですが、今後もできるだけ次期理事者のお役に立つことができればと考えています。ただ、三月も、十県会拡大理事会や名古屋弁護士会との交流会…それと「臨時総会」。我々にとっても残された大きな課題があります。
 あと一か月、精一杯やらせていただきます、ということで、区切の句。
廂(ひさし)より六羽のつばめ発たんとす
(駄句のご愛読ありがとうございました)
忠山

三室合同新年会 エールを交換
 一月二一日、横浜ワールドポーターズ内のレストランで、会長以下当会理事者全員と、調査室から嘱託三名、財務室から室員四名、事務局運営室から室員四名の出席の下、三室合同新年会が開催された。
 三室の嘱託・室員が一堂に会するのは、平成一二年六月に調査室が、平成一三年一〇月に財務室及び事務局運営室がそれぞれ当会に設置されてから初めてのことである。
 青木副会長の司会により、まず池田会長から、三室の日頃の諸活動、特に調査室においては法規集の改訂作業、財務室においては昨年度の会の収入増への貢献、また事務局運営室においては三六協定等の締結に対して、感謝とねぎらいの言葉があった。
 続いて福田護調査室長発声による乾杯の後、優雅にワインと食事を楽しみながらの歓談に移った。
 もっとも、専門的見地から会の運営を補助する機関のメンバーばかりということもあって、話される内容は、これからの当会のあり方等についての真面目な話題が多かった。
 ひとしきり歓談の後、花村聡事務局運営室長が、色々意見を出し合いつつも、まとめるべきところはまとめて理事者を支えようと中締めの挨拶を行うと、武井共夫財務室長からは、理事者を持ち上げるばかりでなく、会の財務体制を厳しく審査するのが財務室の役目との発言が飛び出すなど、各室間でエールの交換がなされ、お開きとなった。
(調査室 中村 俊規)

支部便り 小田原支部 剱持京助会員
弁護士待合室はウサギ小屋
 小田原の現在の支部控室は、庁舎改築中の仮庁舎のため、窓も全く無い息が詰まるような狭い空間となっている。
 来春完成予定の新庁舎については、冷蔵庫などを撤去せざるを得なくなったものの、当時の横弁執行部の尽力によって、何とか旧庁舎並のスペースを確保した。
 ところで、皆さんは、現在裁判所庁舎内の弁護士控室の表示が、最高裁の意向により「控室」から「待合室」に全国的に変更させられているのをご存知ですか。
 元の名称でも「お上の前に控える」という響きであまりいいイメージではないが、待合室となると「用が済んだらさっさと帰れ」と言われているようでますます居心地が悪くなってしまう。
 控室問題の解決を図る為、日弁連もワーキンググループを設置して検討したが、各会毎に裁判所との関係が異なり、また自前の会館を前提とする本部と支部とで問題に対する認識が異なるため、日弁連として最高裁及びその背後にある会計検査院と正面切って戦争することは得策ではないという意見が多数を占め、具体的なアクションは見送られたこともあり、肩身の狭い状況は当分続きそうである。

議案上程前の意見申し入れを強化 関弁連地区別懇談会開催される
 二月五日に、群馬ロイヤルホテルで、平成一四年度関弁連地区別懇談会が開催された。当会からは六名が参加し、冒頭の挨拶で、本林日弁連会長が、議案が国会に上程される前に、自民党の司法制度調査会や推進本部事務局に対し、今後意見調整や申し入れを強化し法案として固まらないうちに日弁連の意見が反映されるように努力する旨強く述べられたことが、今年が司法改革の正念場であることをあらあめて認識させられ印象的であった。
 各単位会からは、他士業への代理権付与・特任検事等への資格付与、法科大学院設立の現状、裁判員制度に対する日弁連としての対応、裁判迅速化法案等について様々な質問がなされ、日弁連執行部から熱意ある応答がなされた。
 現在の司法改革の到達点を浮き彫りにするうえで、有意義な大会となった。
(副会長 田中隆三)

常議員会レポート第12回(平成15年2月13日)
臨時総会提出議案を承認
 三月一一日午後三時から予定されている臨時総会(場所・開港記念会館)に提出される議案が承認された。(1) 弁護士業務市民窓口の設置等に関する会規制定の件、(2) 共済規則一部改正の件、(3) 会則一部改正の件(会名を「神奈川県弁護士会」と変更し、実施を平成一六年四月一日からとする提案)である。
 なお、会則改正(会名変更)についての、会則一一三条に基づく常議員会の意見については、常議員の意見発表の後に採決が行われ、賛成一六名、反対八名、棄権〇(議長・副議長は議決に加わらなかった)であった。
人権救済申立で勧告を出すことに決定
 社会福祉法人が設置運営する身体障害者通所授産施設・知的障害者通所授産施設において人権侵害行為が行われているとの救済申立について、人権擁護委員会が調査を行い、同施設が行った利用者に対する身体拘束が人権侵害に該当する恐れがあるとして、安易に身体拘束を行うことがないよう勧告することを決定した。
 グループホームを運営する私的団体が入所者から預かり管理する預金について、支出の使途、明細等につき本人に十分説明し、承諾を得ることはもちろん、複数者によるチェック体制の確立、成年後見制度の利用などにより適正な管理を行うよう勧告することを決定した。
新司法試験の受験資格を得る予備試験の在り方についての会長声明を出すことに決定
 平成一六年四月に法科大学院が開校され、新しい法曹養成制度が始まるが、それに伴い司法試験法が改正された。そして、法曹の多様性を確保する趣旨から法科大学院の修了者以外にも新司法試験を受験する資格を与える予備試験の制度が作られた。しかしながら、この予備試験の合格者の割合を多くすると、法科大学院より予備試験を重視するという弊害が生まれる恐れもある。会長声明は、予備試験の合格者は出来る限り少ない人数に設定すべきであるとしている。
刑務所・拘置所在監者に当会会員名簿を閲覧させることについて
 当会では、平成八年九月の常議員会決議で、刑務所・拘置所で被収容者に対し、当会の会員名簿を閲覧させない措置を取ることを決め、横浜刑務所に通知していたが、当会の名簿が市販されていること、ホームページ等で公開されていること等を理由に従来の取扱を変更することを決め、横浜刑務所へ通知することにした。被収容者の希望があれば、名簿を閲覧させても良いことになった。
 常議員より被収容者からの手紙等で面会の要請や事件受任の依頼があったときは、速やかに諾否の返事を出す必要があることを周知すべきとの意見が出された。理事者において会員に周知することになった。
子どもの権利委員会・消費者問題対策委員会の委員増員の件
 両委員会の活動実績から委員を増員して欲しいとの要望が出されており、その理由も相当であることからそれぞれ三〇名から四〇名への増員が認められた。
報告事項
 職員との間で三六協定が結ばれたこと、残業代未払い問題について労働組合と合意が出来たことが報告された。
 本部管理課のパート職員が退職したことに伴い、補充のためのパート職員が採用されたことが報告された。
 弁護士報酬の敗訴者負担問題で「一般的な敗訴者負担制度が導入された場合には、訴訟の利用を萎縮させる弊害が重大である」として「弁護士報酬の敗訴者負担の一般的導入には反対である」との会長談話を出したことが報告された。
(副議長 森 卓爾)
常議員からズバリひとこと
 五二期から初めて常議員会に出席させていただいた。自分達のことは自分達で決めるという「弁護士自治」を実感し非常に勉強になるとともに、本来若手弁護士こそ考えるべきこれからの会のあり方をベテランの先生方が真剣に考えてくださっていることに感動した。先日の常議員会でも、いわゆる「会名変更」の議論があった。会の名前がどうであれ遺恨を残さず、これまでどおりの「爽やか」な会でありたい。
第52期 三谷 淳

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