横浜弁護士会新聞

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2001年8月号(4)

 
 七月四日、当会館五階において第五五期司法修習生の弁護修習開始式が開催された(写真)。第五五期の横浜配属は、総勢五〇名、内訳男性三六名、女性一四名。
 昨年から実施されている当会会員を講師とする夜間一般講義が、以下の通り合計八回行われる予定。
(1)労働事件実務
(2)当番弁護士の問題点とその実務
(3)登記実務
(4)外国人に関する法律問題とその実務
(5)破産の実務
(6)民事介入暴力対策の実務
(7)消費者保護の実務
(8)少年事件の実務

 六月二二日から二五日までの三泊四日、公害・環境問題委員会委員を含む、一一名が参加し、西表島での環境調査が行なわれた。
 石垣島の南にある西表島は、八〇%がジャングルと森林で覆われている島で、世界でこの島にしか生息していない生物が数多くいる。
 まずは、野生生物保護センターへ。怪我でリハビリ中のイリオモテヤマネコを見ながら、そこの職員の方から詳しい説明を受けた。イリオモテヤマネコは推定百頭弱しかいないが、幸い調査を始めて以来さほど減っていないとのことだった。しかし、近年牧畜をする人が増え、ヤマネコの住みかが減ってきているらしく大変だとのことである…。
 翌日はエコツアーに参加、各自、ガイドの説明を受けながら、カヤックを漕いで川の流域のマングローブ林や干潟の生物を観察したりした。エコツアーというのは、自然環境に極力負荷をかけずに、自然観察を楽しむという体験型のツアーで、自然環境保護と経済活動を両立させる観光形態として注目されている。
 どこへ行っても見渡す限り手つかずの自然が広がる光景に参加者は皆感激していた。
 また、西表島の夜空は、まるでプラネタリウムのようで、地元の人に星座の説明を受け、流れ星や天の川も見ることができた。
 調査の詳細は報告書を作成予定であるが、皆様も一度訪れて美しい自然の素晴らしさを体験することを強く勧めたい。
(公害・環境問題委 喜多英博)

 季節外れの感もあったが、恒例の平成一三年度横浜弁護士会春季囲碁大会が、二日、横浜弁護士会館で行われた。
 横浜弁護士会囲碁クラブは、貴重な戦力であった岡村大会員、長瀬幸雄会員のお二人を失ったが、新たに平良格会員の参加を得て、合計二一名がA・Bの二クラスに分かれて盤上で熱き戦いを繰り広げた。Aクラスは、柴野眞也会員が一回戦で田辺紀男会員を盤面ジゴで退けて勢いに乗り、大木章八会員との決勝全勝対決でも必敗の碁を逆転し、四戦全勝で横浜市長杯を手にした。準優勝は大木会員、三位は上村恵史会員であった。Bクラスは、新鋭松本幸男会員と前回優勝の田上尚志会員が三勝一敗で並んだが、スイス方式により、松本会員が初優勝して横浜市会議長杯を手にした。準優勝は田上会員であった。
 今年より当会会員となった程甦(チェン・スー)会員(その実力は県代表クラスではないのかという噂がある)の参加が待ち望まれる。
(会員 柴野真也)

冷や汗ものの相談デビュー
第54期修習生 石井 琢磨
 「うちの事務所では修習生に法律相談をやってもらう」先生のこの一言から三か月が始まった。
 一週間後最初の市役所法律相談にていきなりデビューの瞬間がきたが、戦績は連戦連敗。やってみるとこれがまた難しい。未知の質問など来ると何の対処もできない。そんな苦戦の中、一人の救世主が現れた。推定五〇才のおじさん。通称J氏。
 J氏の相談「隣から私の敷地に木の枝が伸びてきているんですが、勝手に切っても平気でしょうか?」ん?これって…?まさか。脳裏に二年前の記憶が甦る。これはまさに択一の過去問肢。来た、来たよ。俺の時代が。択一の勉強して良かった!
 私は得意気に答える。「Jさん、残念ながら勝手に切っちゃあいけません。民法上、根は切ってもOKですが、枝は隣人に切ってくれと請求できるだけなんですよ」ついに初勝利だ。J氏「何条ですか?」「ハイ?」J氏「いや、民法の何条ですか」(何で、そんなん知りたがるんだ?)私「え、えーと、たしか二百何条かですけど…」(いかん、いかにも自信がなさそうだ)。悪い流れだ。J氏「正確に何条なんですか」(知ってどうする?)慌てて六法をめくる。私「二三三条一項です」(ふ!勝った!)J氏は条文をメモし、「そうですか…」と悲しげだ。
 J氏「ところで」(勝手に切ってしまう方法はないんですか」(…話きいてた?)私「隣の人なんだし、声かけましょうよ」J氏はひるまず「彼とは関わりたくない」。やばい、勝利の女神が遠のいていく。待ってくれ、ま、まだ終わりじゃない。
 J氏はついに私を無視。「先生ー、いい方法ないですか。勝手に切っちゃいけませんか」この時点で敗北決定。先生も案の定隣人に声をかけることを勧める。J氏は肩を落とし去ってゆく。
 さて、なぜJ氏は途中から私を無視したのか。修習生の肩書きか、いやきっと私の自信のなさが読まれたのだろう。それが先生の貫祿と対比されたに違いない。デビュー戦で惨敗を喫した私は、次回以降自信を持って答えようと決意する。
 二か月後、多少は堂々とできるようになったように思う。仮に答えが間違っていようとも。そのせいで先生の仕事が倍増したようだが…。
(指導担当 山本一行会員) 

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司法記者クラブ移転のお知らせ
 県内に拠点を持つ新聞社や通信社、テレビ局でつくる「司法記者クラブ」(正式名称=横浜司法記者会)が、横浜地裁新庁舎完成に伴い七月二三日から、同新庁舎一階に移転しました=地図参照。併せて、これまで加盟していなかった民放五社が加盟、計一六社となります。
 会見などの申し入れや情報提供は、電話〇四五(二〇一)三三六〇、ファックス〇四五(二〇一)三三六二までお願いします(ファックス番号のみ変わります)。
 
【加盟社】
新聞社=朝日、神奈川、産経、東京、日経、毎日、読売
通信社=共同、時事
テレビ局=NHK、日本テレビ、TBS、フジテレビ、テレビ朝日、テレビ東京、TVK
(横浜司法記者会)

編集後記
 弁護士会の法律相談で、あちこち探してようやく弁護士に辿り着けたという方の相談を受けました。敷居の高さは敷居の中にいる者にはなかなか見えにくいようです。一面で取り上げたように、いよいよ司法改革が目前に迫ってきました。市民からのアクセス障害という点では、その必要性を実感してきています。
デスク 飯田 直久   一面担当 畑中 隆爾   二面担当 両角 幸治
              須山 園子
      三面担当 澤田 久代   四面担当 佐藤  裕

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