横浜弁護士会新聞

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2001年6月号(4)

 
さすらいのトランペッター
会員  高岡 俊之 
 どちらかというと堅い記事しか書いたことがなく、また、当会には名うてのジャズマンN先生がいらっしゃるにもかかわらず、よりによって私がこのコーナーに登場するのは、大変気恥ずかしいものがあります。
 何をどうお話してよいか戸惑いますが、写真の通りです。
 ジャズを聴き始めたのは受験生の時でしたので、まだ一〇年弱です。同時に、何か楽器をやろうと思い、出来るだけ持ち運びが便利なものということで、トランペットを選択しました。
 手ぶらでよいのはピアノです(そもそも持ち運びを諦めざるを得ない。)が、あれは運指がどうのとか、バイエルがどうのとうるさそうなので、選択肢には一切入りませんでした。
 修習生の時、初めてトランペットを手にしてから現在に至ります。
 最近は年に二、三回程度、同期法曹合計四名で横浜か大阪のスタジオを借り、録音をしたりして楽しんでおります。
 カルテット名は「有斐閣リブレ」と言います。私以外は全員、司法研修所時代に「有斐閣」というロックバンドを組んでいたので、その名残でしょう。
 音楽歴は当然私が一番短く、他のメンバーもジャズ歴は短いとは言え、音楽歴は数段長いので、アンバランスさが売りかも知れません。
 モダンジャズには、テーマ(基本的に一番最初と一番最後にくる分かりやすい部分)とアドリブという部分がありますが、私は、後者はおろか前者もまともにいかないことがあります。
 過日、ある曲に挑戦した際などは、入る部分がさっぱり分からず、「のど自慢大会」よろしく、「いちにっさん、はい!」の合図を何回も頂戴致しました。潰されそうです。
 一方、当会の岩田武司弁護士は手ぶらで身軽なピアノを担当しておりますが、天性の音楽的な才能で、カルテットのリーダー的存在です。彼らにあおられながら、このホビーを続けていきます。

共に考えるということ
第54期司法修習生 田中 弘人 
 「遠矢先生と事件をやるのが楽しくて仕方がないんですよ。」
 これは遠矢先生と共同で事件にあたられている先生ではなく、依頼人の方の言葉です。 「先生は、駄目なものは駄目と頑固ですが、通すべき筋のためならとことん熱くなってくれるんです。」と、依頼人の方は続けました。
 依頼人の方のために事件処理に熱くはなれど、時にはその要請を突っぱねる先生なのですが、それでも先ほどの言葉のように依頼人の方が事件を「楽しむ」ことができるのは、先生が事件を共に考え、それにより依頼人の方から全幅の信頼を勝ち得ているからに他なりません。
 これまでの各修習では弁護修習ほど当事者と直接話し合うような機会もなかったからか、当事者と共に考えるということをそれほど意識することはありませんでした。
 しかし、依頼人の方の話を聞く機会が増え、事件を共に考える先生の姿勢やそれによって、さらにはそれだけで満足して事務所を後にしていく依頼人の方の姿を目の当たりにするにつれ、共に考えることこそ弁護士にまずそして強く求められることなのだと、今更ながら思い至ることができました。
 この点を意識して先生の書面を読むと、法論理的な主張に止まらず、事件処理を巡る緻密な利益衡量がなされていることからも、先生のそのような姿勢を垣間見ることができます。
 どれだけの法律等の知識があろうとも、全く同じ事件などあり得ない以上、まず依頼人の方の言葉に耳を傾け、共に考えることなくしては、適切かつ満足してもらえる事件処理などあり得ないでしょう。
 これからの長い弁護士人生に比すれば余りに短い弁護修習ではありますが、共に考えることの大切さやそれを生かすために何が必要なのかということを念頭に、さらなる有意義な修習を送りたいと気持ちを新たにしているところです。
(指導担当 遠矢 登会員) 

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編集後記
 本紙は編集・班・校正の各会議を経て皆様のお手許に届きます。会議では読みやすくするために見出し等にも注意を払っています。
 時には執筆者に書き直しをお願いすることもあります。私達にとって皆様の反響、意見は活力源です。是非ご意見をお寄せ下さい。
デスク 小林 雅信   一面 岩田 武司   二面 浜田  薫
三面 市川 統子   四面 安田英二郎      

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