初起案の思い出 |
第55期修習生 本田 麻紀
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私は、市民総合法律事務所で、武井先生の指導の下、修習させていただいている。実務での経験は新鮮で、毎日楽しく過ごしている。今回は、思い出深い初起案について書きたい。 |
私の初起案は武井先生と須山先生が引き受けたAさんの破産・免責事件に関するものだ。Aさんは、返済の目途が立たない借金を抱え、破産し免責を受けて再スタートすることを望んでいた。破産は無事認められたものの、免責について、ある信販会社から異議申し立てがなされてしまった。 |
Aさんは、換金目的でノート型パソコンをカードで購入し、買取屋で換金したというのだ。このままでは、免責決定が受けられない。まず、本人から事情をきかなければならない。 |
本人から事情をきくと、買取屋から、ノート型パソコンを購入し換金するように圧力がかかったという事情があり、被害者的側面が強いことがわかった。武井先生が言う。「お子さんもまだ小さいわけですからね、ご家族のためにも、免責が許可されるように頑張ってみますから。」陳述書の家族欄に目を落とす。「長女一三歳、次女六歳」。そうか。Aさんの顔の向こうにご家族の姿が見えた気がした。 |
裁判所に免責許可をお願いする意見書原案を、起案させていただいた。研修所の起案では、眠気に襲われながらやっとの思いでペンを動かすという感じだったが、実務修習の起案はインセンティブが違う。実際にこれで、Aさんが免責されて再スタートできるかが決まるかと思うと、やる気が湧いた。 |
数日後、事務員さんが、「免責決定されました!」と報告してくれたときは、本当に嬉しかった。事情聴取のときに先生方が言っていたことをそのまま文章にしただけなので、私の力でも何でもないのだが、Aさんが免責されたという事実がとにかく嬉しい。 |
実務修習初起案は、私にとって、忘れがたい思い出となった。 |
(指導担当 武井共夫会員)
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九月二三日、札幌弁護士会との間で、第一回全国弁護士会対抗戦が開かれ、当会の法曹テニスクラブも勇躍参加してきました。 |
ホテルにも「全国〜」と仰々しかったです。二二日に札幌に飛び、二四日まで滞在してきました。 |
元々は、横浜、仙台、札幌の三会対抗戦が一年置きに開催されてきたのですが、札幌の会の方で、急に大それた考えを抱き、全国の全ての弁護士会参加の一大テニス大会を始めようと企てたものです。 |
余りにも急なことで、仙台はメンバーが揃わない、当会も最初は揃わない、そして、その他の会にいたっては、当惑したまま沈黙、という状態で、実施そのものが危ぶまれた大会でした。 |
当会が参加しただけで、札幌の方々には大歓迎されたのでありました。懇親も深められました。 |
当会では、約二名の会員が「何が何でもメンバーを集める。」という檄を飛ばした関係で、本間豊会員を始めとする懸命の努力で、何とか間に合いました。 |
大会の成績はともかく、という感じです。当会では結果に不満足な人ばかりで、当日の戦績を示す資料は何も残っていません。破棄してあります。語りたくありません。 |
今の時期の北海道は、素晴らしく、二二日には、着いた足で、小樽に行き、松山千春縁の千春鮨に行って、おいしい寿司をいただいたり、石原裕次郎記念館を訪ねたり、また、二四日には、ゴルフ場への組と支笏湖への観光組とに、分かれて、それぞれ楽しい旅をしてきたのでありました。 |
最後に、対抗戦については、当会は、四〇代二人の他は、皆、五〇・六〇代ということで、平均年齢五〇ン歳の選りすぐりのベテランを用意したのですが、八−〇で負ける組もあったりして、関一郎、馬場俊一会員組が勝ったのみで、皆、仲良く敗退して、四対一で札幌に勝を譲ってきました。 |
念の為に、当会の名誉のために申しますと、タイブレークの熱戦も一試合あったのです。なお、高橋優会員がBクラスの個人戦で優勝しました。 |
(茆原 正道会員)
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