横浜弁護士会新聞

back

2000年7月号(2)

next
工夫を加えながら日常業務に生かしたい
 五月九日、「初任者実務研修会」として、(1)多重債務事件の処理手法(講師:小林秀俊会員)(2)法律扶助制度の利用及び扶助事件の受任に際しての留意事項(同:山本安志会員)を内容とする研修会が行われ、今年の四月に登録した「若葉マーク」の私も参加した。
 ご自分で構築されたノウハウを惜しげもなく披露して下さった小林会員の熱い思い、また、すべての人に十分な法的サービスを提供したいと奮闘される山本会員の静かな闘志がそれぞれ参加者にぴりぴりと伝わってくる研修で、皆熱心に聞き入っていた。
 ともに市民と弁護士との距離を縮めていくためには避けて通れないテーマである。特に登録から間もない弁護士にとっては業務の相当な部分を占めると思われる内容だけに、お話を聞いたということで満足してしまうのではなく、自分なりの工夫を加えながら日常業務に生かしていきたいと感じた。
(須山 園子) 

講師の情熱・使命感が伝わった研修会
 五月一七日、弁護士会館において刑弁センター・少年問題委員会・法律扶助協会による新入会員実務研修会が開催された。
 研修会では、まず若手の阿部・関守両会員から付添人・当番弁護士活動について具体的事件に沿って講義がなされた。両講師共刑事・少年事件に対する情熱・使命感にあふれており、受講者もまた「熱いもの」を感じていたようである。
 引き続いて行われた山本安志会員による法律扶助制度の講義では、扶助制度の意義・具体的利用方法等につき丁寧な説明がなされた。
 そして、これらの講義の合間を縫うように、各委員会を代表する会員が各種名簿登録に向けて熱心な勧誘活動を繰り広げた。各会員の情熱的かつ巧みな勧誘により、当番弁護士・扶助的少年付添人名簿への登録申込書に署名をする受講者の姿も見られた。弁護士の人を説得し意のままに動かす技術(?)の高さを目の当たりにし、この点でも有意義な研修会であった。
(佐藤 裕) 

犯罪被害者を守ろう
弁護士会としてどのような支援ができるのか?
― これまでに学習会を4回開催 ―
 昨年一〇月、犯罪被害者支援活動委員会が発足した。
 議論を重ねた結果、弁護士だけで被害者支援を行うことはできず、カウンセラーや医者など他の機関と連携する必要があることが確認され、最終的には犯罪被害者支援センターを立ち上げ、その一機関として弁護士が活動していこう、ということになった。
 もっとも、具体的に何をするかということについては、なかなか話が詰らず、まずは犯罪被害者一一〇番を六月二六日に実施して被害者の声を聞くと共に、被害者との係わり方を学ぶために学習会を持つことになり、学習会は、すでに計四回行なわれた。(かっこ内は参加会員数)
 第一回 常磐大学教授長井進氏を講師に招き、臨床心理士としての立場から犯罪被害の心理状態、回復のプロセスなどについて伺った。(三四名)
 第二回 鶴見事件の被害者二名を招いて、被害者の方の生の声を聞いた。(二七名)
 第三回 性暴力被害のケースを題材にして、実際にケースに係わった方々からその活動内容、注意すべき点等について話を聞いた。(一九名)
 第四回 臨床心理士、警察、いのちの電話のスタッフなど実際に犯罪被害者の方に係わっている方々の話を聞き、意見交換をした。(二三名)
 どの回にも出席者が多く、内容の濃い質疑応答がされ、犯罪被害者問題に対する関心の高さが窺われた。
 また、私などは犯罪被害者の心理状態などまるっきりの門外漢だったので、非常に勉強になったと同時に、そのようなことも知らずに被害者に係わろうとし、自分自身が二次被害の加害者になりかねなかった恐ろしさを痛感した。
 弁護士にとっては耳の痛い話だが、やっとの思いで行った法律相談で弁護士に事務的、威圧的な態度をとられ、さらなる無力感、孤立無縁感に打ちのめされた、という話は、四回の学習会を通して、人を変え、何度も語られた。
 弁護士会としてどのような犯罪被害者対策支援ができるのか。まだ手探りで道を模索している段階だが、被害者の保護を確実なものにすべく活動していきたいと考えている。
(犯罪被害者支援活動委員 関守麻紀子) 

民事手続の流れと事務職員の役割をテーマに
 五月一一日、横浜弁護士会館五階大会議室において、小倉孝之会員を講師に、「民事手続の流れと事務職員の役割」をテーマとして事務職員研修会が行われ、一〇三名の事務員が参加した。
 詳細なレジュメに沿って民事事件の意義・種類や手続の流れが解説され、その過程における各種書類の取り寄せ方や内容証明郵便の出し方など、事務員が作成した覚書を資料としながら、具体的な事務手続についての説明がなされた。
 参加者からは、わかりやすかった、日頃の業務の位置づけが確認できた、等の感想が多数寄せられ、好評であった。
(研修委員 小圷 淳子) 
 今回の研修会は他の事務所の仕事の仕方を知ることができ、有意義であった。また、お客様との対応のこつなど、余談として出た話も参考になった。
 事務員が弁護士に求められている役割や他の事務所の仕事の仕方などを知りたいと思っているので、これからも研修会に参加していきたい。
(須藤法律事務所事務員 松橋 瑞恵) 

▲ページTOPへ
内容一覧へ